第6話 さらに転職
『条件を満たしました。クラスを獲得可能です』
――また転職きたー!!
一体どうなってんだこの世界は。気前よすぎ!
前回の候補に加え新しいクラスが追加されていた。
【ダークエルフナイト】レア度:UC。
闇の騎士。
【ナイトウォーカー】レア度:R。
夜を征く者。
【アサシンマスター】レア度:R。
必殺の暗殺者。
【アサシンナイトウォーカー】レア度:SSR+。
闇を統べる者。力+2、敏捷+2。闇属性の耐性が30アップ。
【深淵を覗きし者】レア度:R+。
ダークサイダー。
――いかにも闇の種族の職業一覧ですって感じだ。この種族はリアルでもまともな職につけるか心配になってきた。
慎重に吟味した結果、シャインの中でアサシンナイトウォーカーと深淵を覗きし者とで二択になった。確実に強くなるアサシンナイトウォーカーに決めた。
【アサシンナイトウォーカー】を獲得!
力:27(new!+2)
体力:11
敏捷:31(new!+2)
魔力:28
精神:25(new!+4)
運:31
――く~、これはでかい。
シャインも自分自身のフィジカルの強さを感じ始めていた。転生前の自分と比べたら優にゆうに数倍。
人間を辞めているレベル。
しかし、まだまだ足りない。
シャインは全てのアンデッドを狩り尽くすようにしらみつぶしに倒していく。
装備のほうも充実してきた。軽くて高い耐久性を持つ、その名の通り黒い骨で出来ているブラックボーンシールド、ブラックボーンヘルム、ブラックボーンアーマー。他の部位もあるだろうが、この三つばっかりドロップして切れそうです状態であるが、スケルトンアサシンはタイマンで倒せるようになった。戦っている最中にもう一匹きて死にかけたことはある。二匹は無理。
連戦につぐ連戦でとうとうレベル25に到達した。
「あ~もう限界。スキルだけ決めて寝るか」
【レベル:25】
HP:274/274
MP:260/260
力:28(new!+1)
体力:12(new!+1)
敏捷:32(new!+1)
魔力:29(new!+1)
精神:26(new!+1)
運:31
ピックアップしたニンジャ固有スキル
【サイレントムーヴ】R。無音で動ける。
【装飾】R+。幻影シリーズ。肌や外装を装飾できる幻術。幻影シリーズは同時発動できない。
【偽装】R。幻影シリーズ。ステータスに偽りの情報を貼り付ける。幻影シリーズは同時発動できない。
【スキルキャンセラー】SR。対象のパッシブ以外のスキルを一つ打ち消す。
ピックアップしたアサシンナイトウォーカー固有スキル
『ダークネス・キングダム』SSR。魔法〈ダークネス〉を合成消費することで獲得可能。最大半径50メートルを暗視不可の闇で包む。
【デス・サーティーン】R。技スキル。対象に13連撃を全て当てると強制死する。
【MP自然回復量(中)アップ】R。このスキルはステータス欄には表示されない。
【リダクションダメージ】SR。ダメージを20%削減する。
【確定ダメージ+5】SR。武器攻撃時、+5のダメージが追加される。
【冥王の一撃】SR。技スキル。攻撃ヒット時、50%で強制死。3回成功でこのスキルは消滅する。
【ソウルブレイク】SR+。技スキル。この攻撃で死んだ対象は復活できない。10回使用するとこのスキルは消滅する。
【即死無効】SR+。即死耐性(大)アップを合成消化することで獲得可能。即死無効。
――即死無効きたー!
探したら即死耐性(大)アップがあったので迷わず獲得。流れるように【即死無効】を獲得した。
――これはいけるかも。
他も慎重に吟味する、【冥王の一撃】などはアンデッドには効かなそうなので却下。
少しでも被ダメージを抑えるために、【リダクションダメージ】を獲得した。
4つ目は長期戦を想定して100回殴ったら500のダメージアップになる【確定ダメージ】を獲得した。
残り1つ。
シャインはここまでで大量の魔法書を手に入れていた。
魔法書は闇属性が圧倒的に多く次に木と水属性。光魔法は一つのみ。これは場所や魔物の属性による影響だとシャインは考える。
分かったことは一度覚えた魔法は、合成消費で消えると二度と覚えられないということ。〈エナジーボルト〉を含め何種類かの単体攻撃魔法を合成することで〈マジックアロー〉を覚えたが、エナジーボルトを覚え直すことはできなかった。
それのせいで二の足を踏んでいたが、勝率を少しでも上げるために、新たに追加されたスキルを獲得することにした。
ここまでで習得した麻痺攻撃の〈パラライズ〉や恐怖を植え付ける〈テラー〉を始め、搦め手から闇属性強化まで様々な闇魔法をごっそり合成消費することで三つのうちどれかを獲得することが可能。
〈痛覚遮断〉――いくつかの闇魔法と対抗呪文を合成消費することで作れる。
〈アンチェイン〉――大量の闇魔法を合成消費して麻痺、スタン、バインド、ストップを緩和するパッシブスキル。
〈セロ/闇の閃光〉――〈マジックアロー〉と大量の闇魔法を合成消費し作れる。収束した闇のエネルギーを無属性ダメージに変えて直線上に放つ魔法。
この三つ。シャインは悩んだ。
痛覚遮断は思うより実戦値は高いはず。ここ一番死ぬまで全力で戦えるのだ。しかし諸刃の剣だろう、なぜか対抗呪文が素材になるのも痛い。
――これはないか。
アンチェンは強い。しかし無効になるというのなら迷わず選ぶのだが、緩和というのがいまいち分からない。例えば麻痺している時間が短縮されるのか、麻痺しながらでも動けるのか曖昧だ。
しかしデスナイトアビス戦は接近戦になるだろう。セロは打てる機会が少ない気がする。
少しでも勝率が上がるもの。
――アンチェイン、かな。
もったいないけど勝率の足しになることはすべきだ。
シャインは意を決する。
【アンチェイン】を獲得した。
☆
〈ドーム内、南端〉
大方のアンデッドを狩ったシャインは、闇属性の耐性が上がる〈カオスリング〉三つを身につけ、装備もましになったので、デスナイトアビスとの前哨戦も兼ねて地底湖にいた。狙う相手はブラックナイト。
ブラックナイトに勝てないようではデスナイトアビスは無理だろう。
水中を闊歩するブラックナイトを見ながら意を決する。
《分身》
テストを兼ねて出した分身がブラックナイトの前に躍り出る。
ブラックナイトが分身に襲いかかった。
――釣れた!
《マジックアロー》
バシンッと水中にいるブラックナイトの顔に当たると、一瞬何が起こったのか分からない感じで硬直した。
次の瞬間、怒涛の動きでシャインに向かってきた。
普通なら水辺から上がらせないように水際作戦に出るのだが今回は目的が違う。水中から這い上がってくるのを待つ。
ブラックナイトが眼前に立つ。2メートルをゆう越す巨体。恐るべきプレッシャーだ。
ブラックナイトが付着した水を撒き散らしながら高速で大剣を振り回す。凄まじい衝撃と金属同士の激突音が鳴り響く。
シャインは堅実に避けと盾で受け流しながら、末端の部位にマシンガンのように攻撃を重ねていく。
激しいの攻防が続く――
10分後、ブラックナイトが粉々に砕け散った。
「よし!」
ガッツポーズを決める。
シャインは手応えを感じていた。
意気揚々とドロップアイテムを回収している中、レア度の高い魔法書を発見する――
【カウンタースペル/対抗呪文】SR。
レベル7の無属性魔法。対象の魔法を打ち消す。
――欲しいけどレベルが高いな。
駄目元で念じる。
『〈カウンタースペル/対抗呪文〉を覚えた』
「ええ!?」
覚えてしまった。嬉しい。
ステータスを確認すると、2レベル上がっていた。
【レベル:27】
HP:300/300
MP:284/284
『スキルを2つ獲得できます』
ダークネス・キングダムを取ってみたいけどアンデッドに通用するのか怪しい。
にニンジャ固有スキルの【無味無臭】を獲得することにした。獲得すると新たな候補が発生した。
【気配遮断EX】レア度:SR。
〈無味無臭〉〈気配遮断〉を合成消費することで獲得可能。
より高い次元で気配を遮断する。
――おお、いいね。取っておこう。
【気配遮断EX】を獲得!
「決戦前に身を清めるか」
素っ裸になる。
水中に敵がいないのを確認して足を入れる。
「冷たっ」
水を張ったお風呂に入るようだ。それでも我慢して入る。
慣れてきたらほてった身体に気持ちよかった。
☆
腹は減っても、気力は些かも衰えることはなく。
気持ちは冴え渡る。
まさに万全。
シャインはドーム内、最後に寄る場所を目を向ける。
ドーム内、北端だ。木の上からは真っ白なスポットに見える場所。
異様な雰囲気が漂っているのでここは避けていた。
というか木の上から何かがいるのが見えていた。あまりに遠くてそれが何なのかは分からないが、禍々しいと思った。
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