いざ街へ
「・・・そうか」
フレアは少し考えるように顎に手を当てた
「ありがとうウィスダム
参考になったよ」
フレアがにこやかに手を振ると同時にナノとアリアも頭を下げた
「また、いつでも来るといい・・・
そうだ、フレア
よくない話ではあるが、最近どこかで闇の力の鼓動を感じる
わしの気のせいだとよいのだが、今このタイミングで君が目覚めたこともある・・・気をつけておくれ」
「あぁ、わかった・・・」
フレアは少しだけ真面目な表情を見せると、歩き出した
ウィスダムの顔はただの木の幹に戻り、そこには巨木が立っているだけの状態に戻った
「よし、行くか」
「ねぇ、フレアさん
最後にウィスダムさんが話してたことって・・・」
「フレアでいいよ
んー、断定はできないけど魔物の凶暴化とかもあるみたいだし無視はできないんじゃない?」
「では、フレア殿
一度街へ戻り、我々の騎士団本部へ来ていただけませんか?
あなたの力をお貸し願いたい」
アリアは跪き頭をさげる
「フレアでいいよ
そんな、頭下げないでくれよ
あんたらの本部くらい行くからさ」
「本当ですか!ありがとうございますフレア様!」
「フレアでいいよ」
「さすがは勇者フレアだね!」
「フレアでいいよ」
「では、さっそく・・・」
「フレアでいいよ」
3人は目を合わせたままフリーズする
「・・・今のはフライングだわ」
3人は、再びフレアの転移魔法によって元の森に戻って来た
「よし、じゃあ案内してくれ」
ぐーっと伸びをしながら、騎士団の2人を見る
「では、我々も転移しよう」
アリアはポケットの中から、小さな箱を取り出した
「それは?」
「これは
ナノが、ニコニコしながら答える
「マジックキャリー?」
「魔法をあらかじめ箱に込めておくことで、誰でもいつでも魔法が使えるというものだ
これには、本部へ帰るための転移魔法が込められている」
「ほへー、便利なもんだな
それ何個も用意して強力な攻撃魔法でも詰めようもんなら凄まじい武器になるな」
「あぁ、だからこれに攻撃魔法を込めることは法律で原則禁止されている
そもそもマジックキャリーを使用できる人間はかなり限られているんだ」
「取り扱い注意だな」
「あぁ、だがこれを悪用しようとする輩は多い
事実、後進国なんかでは戦争や紛争にこれを使用する地域も数多くあると聞く
不正に製造し、売りさばく者がいるのだ・・・」
アリアは少し悲しそうな表情を浮かべる
「いつか捕まえな
さぁ、早く行こうぜ」
「あぁ、そうだな
[
ガチャリという音ともに箱にかけられた鍵か開き、ゆっくりと蓋が開いて行く
「[
詠唱と共に、光の円が現れ3人を包み込んだ
そして、そこにはもう誰もいなかった
不死身な勇者様 shushushu @shushushu13
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