天使

 白い翼を拡げて、僕の心傷を受け止める君は、いつも笑っている。

 柔らかくて、暖かくて、優しくて。

 でも、僕は知っている。

 君だって泣きたい日はあるんだろう?

 天使が泣いてはいけないなんて誰が決めたんだい? 翼が生えていたら飛ばなければならないのかい?

 優しき天使に口付けを。

 果物ナイフを突き立てた。

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