花瓶

 予定調和の日常に毒が垂れる。

 誰が望んだのだろう。

 私だろうか? それとも貴女だろうか?

 きっと両方だろう。

 生きたいと貴女は言った。

 同時に死にたいと貴女は言った。

 始めから壊れていたのだ。

 私も貴女も生まれるべきではなかった。

 私と貴女は出会うべきではなかった。

 机の上に一つの花瓶。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る