第7話 ゴブリンさんの叱咤


今晩、ナルスンです。ブックマークやらハートやら星やらありがとうございます!!


モチベあがりまくりです。 今更ゴブリン物は微妙かな?と不安もありましたが、皆さんの反応のおかげで不安ゼロになりました!!


皆さんにより楽しんで読んでもらえる様に頑張りますので、応援のほどこれからもよろしくお願いします!!



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実戦授業を受けるためにミュー達生徒は外のグラウンドへ皆移動した。学園はかなり広い土地を有しており、召喚の儀の時と同様の魔法陣がグラウンドの四隅に立っているポールに刻まれていた。




この魔法陣には真下の時に備えであり、魔術や武術の暴走や死に至る攻撃を感知し、バリアを展開する他回復魔術も瞬時に行ってくれる。これにより多少無茶な戦闘も可能で魔獣という脅威に対抗する力をより実践的な形で手に入れる方ができる。




と言ってもこれは実力を持った者の意見であり、実力のないものからすれば倒れても、倒れても回復魔術が飛んできて起き上がれてしまうため、拷問の様な時間になっている。いかに精一杯やっています!

と教員にアピールし「それまで」という救いの言葉を引き出すか。実力のない生徒はここに集中し、ミューももれなく精一杯のアピールが上手くなっていた。





「おーし、それじゃぁーはじめるぞー」




「「「はーい」」」




気の抜けた教員の声で授業がはじまる。対戦相手は教員が指名する決まりになっていて、強い者は強い者と弱い者は弱い者と言った様に実力が拮抗した相手が選ばれる方が殆ど。稀に例外があるのだが、今回はその稀なパターンであった。




「それじゃー ディスクとミューお前らで」




「えーーーー!!」




「おっ!ミューか、、、。一応手加減はしないぞ」




「先生!無理ですよ!!私がディスクと戦うなんて!!学園の最上位と最下位の戦いなんてあんまりです!!筆で剣は倒せませんよ!!」




「いや、ミューそこまで自分を下に見なくても」




「ディスクは黙ってて!!これは持たざる者の戦いだから!!」




ミューは興奮しながら教員のに講義した。正直に言えばディスクもそして普段ミューの事をバカにしている生徒達もこの組み合わせには無理があると感じていた。ミューは本当に魔術と武術の才能がない。身体強化はできるがほんの僅かな強化であり、魔術はからっきしである。かたやディスクは体躯が良く身体強化をすれば魔獣の突進を投げ飛ばすほどの力を発揮し、魔術も優秀と言えるほど使いこなす。さらに先日の召喚の儀で闘牛の魔獣を従えており、ミューと比べるとまさに月とスッポンであった。




「そりゃー、今までのミューならディスクなんて逆立ちしても無理だろうなぁー」




「そうでしょう!!なら対戦相手を変えて、、」




「あわてるなよー 今までならって言ったろー

今日のお前には召喚獣がいるだろー 試してみたくないのかよー?その力ー」




「た、確かにゴブリンさんは居ますけど、、、それでもディスクだって闘牛のブルートがいるじゃないですか!状況的には依然と変わりませんよ!!」




「お前は勉強は出来るがまだまだだなぁー。まぁそれは他の奴らもだが、、、。そのゴブリンなぁー

多分めちゃめちゃ強いぞー ミューが契約出来たのがびっくりするほど強いぞー だからなー試してみろよー お前の召喚獣の力をよー」





「ゴブリンさんが強い、、、?」





確かにゴブリンさんは普通のゴブリンとは違い知性がありあの亜人決戦を生き残っているのだから強いかもしれない、けどそれでもゴブリンはゴブリン、その枠は越えることは出来ないだろうとミューが考えていると、




「召喚獣も立派なお前の力だろー。それに世の中には常識から外れた奴がたまに居るんだわー だからよ、お前の物差しで測るなよミュー」




教員から言われゴブリンさんの方をミューは振り返る。そこに居るのはレザーメイルを着ている普通より少し体つきが良いゴブリン。もしかしたら強いのかもしれないけど、そんな風に全く見えない。ディスクと戦わすなんて危ない事させられないとミューが訓練の辞退を申し出そうとした、その時であった。




『フム、 ミュー 言ったであろう。我々の力を認めさせてやろうと。心配はいらん我は負ケン』




その瞬間、ゴブリンさんが一気に大きくなった。体の大きさに変化はなく、その存在そのものが大きくなり周りのもの全てを例外なく威圧する。強者特有の空気と言えば良いのだろうか、空気が震え、そこに誰もが釘付けになる。無視をしてはいけない何かが突如として現れた感覚。蛇に睨まれたカエルの様に教員以外みな動けなくなってしまった。




『初めから気を出していては対話も出来ナイと思ってイテな、経験則トいうヤツだ。騙していたわけデハないぞミュー』




「いっ、、、いえ、、。ゴ、ゴブリンさんって思ってたよりとっても凄いゴブリンさんなんですか?」




ミューはゴブリンさんの人となりを多少は知っているおかげで周辺を問答無用で威圧している重苦しげな空気の中、なんとか言葉を発する事ができた。





『ただの死にゾコないだ。死にソコねたからこそ、この時代にコレたのだがな、、、ミュー 我々の力を認めさす。それにはミューの力も必要ダ』





「そ、そんな私の力なんて、、、。ゴブリンさんだけで勝てますよ。私みたいな役立たずなんて必要ないですよ」





『甘えルな ミュー』




いつもとは違う厳しい声にハッと意識を向けた。そこには真っ直ぐにミューを見据えるゴブリンさんの目があった。




『卑屈は何も生まナイ。ミューがいるから我がいる。なれば共に戦うのダ、魔術に武術が使えぬのならその知識で戦い勝利シロ。負ければ失うぞ、勝利シテこれまでの自分を認めさせるノダ!!』




ゴブリンさんの叱咤激励が心に響く。

今の私を、今までの私を認めさせる。魔術が下手、武術が下手だから周りに笑われた。それが悔しくて、でも上達もしないから勉強も頑張った。たまに行くギルドで冒険者達の訓練をみて観察眼も養った。訓練で相手が使う魔術も次に来る剣筋も見えている、わかっている。でも身体が追いつかない。

だからこそいっぱい勉強したのだと。




家族が早いうちに死に食べるのがやっとの人生の中で初めて楽しいと思えたのも勉強だった。身についた知識は披露される事なく眠っているが、これから役に立たせれば良い。ゴブリンさんと二人で。私たちを世の中に認めさせる!!そう胸に誓いミューは力強く、もう自分は大丈夫だとゴブリンさんを見つめた。





『いい顔ダ。それでは行クぞミュー』





「はい!!」





「どうやらー準備はできたみたいだなー。っていうかそのゴブリンの声はミューにしか聴こえてないから次から通訳たのむぜぇー ディスクのほうは準備いいか?」





「おお!!流石にさっきのはぶるっちまったけど、これは最強に良い訓練になりそうだぜ!!」





「おーし、それじゃあ訓練始めるぞー」





「はい!」




「おう!」





「戦闘訓練はじめーー」




そうして教員の右手の合図でゴブリンさんとミューのはじめての戦闘が開始されたのであった。











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