第5話 ゴブリンさんと朝ごはん
ミューはいつも通り早朝に目が覚めた。少し違うのベットの向かい、部屋のドア近くに座って寝ているゴブリンさんがいる事だ。是非ベットを使ってくれと進めたがこっちの方が慣れていると床に腰を下ろし静かにねむってしまった。若干の申し訳なさはあったものの本人がそう言うのならと思い、疲れもありすんなりとミューも眠る事ができた。
「ゴブリンさん朝ですよ?起きてますか??」
『む、朝カ。ミューよ良い朝ダな』
「はい!おはようございます!!」
久々に交わされるなんて事のない会話にミューは少し嬉しさを感じながら朝食の準備に取りかかった。
学園のちょっとしたお使いや休日のギルドでの仕事はしているもののミューはまだ子どもであり収入的にはキツキツであり、今日のメニューは黒パンにスープに卵ひとついつも通りの朝食だった。
「ゴブリンさんは朝ごはんどうしますか??必要でしたら作りますけど??」
『必要ない。我々ハ大気から生命の糧ヲ吸収する。このことはミューはしらないのか?』
「そ、そうなんですね!!大気から吸収、、。人で言うところの魔術や武術の技術のように溜め込むのではなく完全に自分のエネルギーにしてしまうとは!!こ、これは大発見ですよ!!伝承にも残ってませんし!!」
『そうカ、役に立てタのらな良い。食べ物が冷めてシマウぞ。早くたべたらどうた?』
「すっ、すいません私ったら。す、すぐたべます」
またミューは自分の悪い癖がまた出たと反省しながら朝食を食べ始めた。ゴブリンさんと過ごしてまだ一日と経たないがこのゴブリンさんがどのような人物かは何となくわかってきた。パスが繋がっているからなのかゴブリンさんの感情が流れてくる時がある。それは大体は優しく滑らかなものだが、街を歩いた時に一瞬だけチクッとするものがあった。
亜人族は言うなれば人族に滅ぼされた存在。
亜人決戦にいきた亜人族からすれば今はどう映るのだろう。きっと辛いはずだ。だから私がしっかりしてゴブリンさんの力にならなければ!そうミューは決意しながら朝食を終えた。
「それではゴブリンさん、学校に行きましょう!」
『またあの道を行くのカ。少し憂鬱ダ』
「私も正直学校に行くのが憂鬱です」
『それハ我がいるからか?やはりこの時代に亜人族を連れて歩くノハ辛かろう』
「あっ!いえ!ちがうんです!そうじゃなくて、
私落ちこぼれだから勉強以外あんまり出来なくて、、、魔術とか武術とか苦手だから、、、。だからゴブリンさんと一緒が嫌だとかそう言うのじゃないです!むしろ一緒にいてくれ心強いです!!」
『そうカ、それは何よりだ。我もミューにふさわしい召喚獣として振る舞うようにしよう』
「か、揶揄うのやめてくださいよ!!もう!!
学園に早く行きましょう」
『ウム』
そうしてミューとゴブリンさんは家を出た。
帰りと同じく歩く人々に好機の目に晒されたが
2人は気にした様子もなく、これが当然だという顔をして学園へむかった。
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