逃走

ダガヌ

第1話

かなり走った。どこまで走ったか分からないくらい走った。きっと追手はもう諦めていると心の中で思っていた。

「…ッ!」

土から盛り上がっている立派な木の根に引っかかって体力もなく受け身すらとるこができず思い切りこけてしまった。

「なんで私がこんな目に会わなければ行けないのよ!」

つい叫んでしまった。追手はもういないという自分への情けからつい叫んでいた

「お困りのようだね嬢ちゃん」

「!」

前からゆっくりと大股で歩いてるくる人がいる。跳ね上がるように立ち上がり小型のリボルバーを構える…しかし相手はリボルバーの構造をしっかりと理解している人だった

「せっかく、一生懸命に逃げている女の子を助けようとしたのになんでいきなり銃構えるかな?とゆうかなんで女の子が銃持ってるの?世の中物騒だね〜」

男は随分軽い口調で話している。

「…ッ!離してよ!」

リボルバーを男から引き離そうとするがやはり相手は男全く動かない……女の子の背後から何か気配が迫ってくると感じた男はリボルバーを自分の方へ引き寄せ、女の子を自分に近づけた。女の方は何が起こったか全くわからないような顔をしている。徐々にその気配が迫って来るのを感じた男は、コートの上のベルトに付けている西部劇のリボルバー通称SAAのグリップを握り射撃準備をしている。何かが迫ってきているのをやっと分かった女の子は顔をすぐに真っ青にした…刹那、4、5人の黒いフードを被った連中が木へと木へと飛び移りながら確実に女の子を捉えて迫ってきている。しかし全員がその横にいる男を見つめ出し、そちらの方を向かっていた。どうやら、男を先に始末するようだ。

「に…に、逃げない…と…」

女の子は無意識に男の方へ体を寄せていた。男は黙って迫ってくるフードの集団を見つめていた。

「は…早く!逃げようよ!」

女の子が無意識に持っていた男の左腕を後ろに引っ張り逃げようと合図していた…すると男が自由になった小型のリボルバーを左手から離し

「ちょっと下がって、静かにしていてくれ」

女の子は何が感じたのか静かに頷き、男の長いコートの後ろに身を潜めた。

するとフードを被った連中はさらに動きを速くし、男に近づいてくる。男は一度目を瞑り、ゆっくりと開けるとSAAを素早く取り出しフードを被った連中の一人の眉間を見事に撃ち抜いた…その距離約60m…流石に想定外だったのかフードの連中はその場で動きをしっかりと止めた。

「いいかよく聞け!そいつと同じ運命を歩みたくない者はすぐに引き返せ!少しでも動くと…あー、何だろうな…とりあえずお前ら帰れ!」

肝心なところで何も言わない男のせいで空気は何が気持ち悪い感じになってしまった。

「ちょっと!何で何も思いつかないんですか!」

「悪いね嬢ちゃん。俺こういうの苦手なんだよ」

男と女の子がギャイギャイ向こう側で言い合ってる時にフードの連中は目を合わし合い幽霊のように消えていった。

「あ!ほら!どっか行っちゃったじゃないですか!」

「俺が逃したんだからそりゃどっか行くだろ、とゆうかさっきのへっぴり腰はどこ行ったんだよ…」

「…とにかく!早く行きましょうよ!」

「……何処にだよ」

「あ……」

女の子はシュンと下を向く。

「まぁいい。しばらく俺の家に泊まらせてやるよ」

「本当!?ありがとう!」

すると女の子は男を後ろからぎゅっと抱きしめた。

男は軽いため息をしながら頭をかき

「ほら、歩くぞ嬢ちゃん」

女の子を左手で引き剥がした。女の子はむすっとしながら

「後、私は嬢ちゃんじゃなくて、ジェニファー・マリーという名前があります!」

「そうかい、嬢ちゃん」

女の子は怒りながら男に慌ててついて行った。

まぁ、二人とも同い年と知るのはすぐ後のお話…

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