続三国志演義─通俗續三國志─
河東竹緒
序
そもそも小説とは世間通俗に説かれるものであって、正統の歴史ではもとよりなく、
今の世に出版される通俗の歴史小説もすべて
蜀漢の
しかしてその後、
この書を
遺漏のなかろうはずもありませんが、
この物語は
▼「烏有」は「
時に
※
これは、明治四十四年(一九一一)に早稲田大学出版部より発刊された全十二冊の『
原書は二〇〇七年に上海古籍出版社より
その内容は『通俗續三國志』三十七巻に加え、『
※
『三國志後傳』は、魏の
『
※
孔祥義さんの前言によると、『三國志後傳』の原題は『
ちなみに、「嘉平」は陰暦十二月の異称、そもそもは年末の祭りを言い、それが転じて十二月を指すようになりました。古くは
※
編者の
なお、秦の始皇帝の
「野史」は「
そう考えると、「酉陽野史」は「さまざまな書籍を博覧して著した非公式の歴史書」と解されます。ただ、これでは完全に著書そのままの筆名であり、著者の実像はまったく不明となります。
なお、『
※
『新刻續編三國志』の序が書かれた一六〇九年から百年ほど後、日本で
『通俗續三國志』は元禄十六年(一七〇三)、『通俗續後三國志』はその九年後にあたる
当然、これらの
早稲田大学から出版されるくらいですから、当時は知られていたようです。
※
原書である『三国志後伝』については、本作にも多数のコメントを頂いているまめ@mamesiba195さんが調査し、Wikipediaの『三国志後伝』項を作成されています。
Wikipedia「三国志後伝」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97%E5%BE%8C%E4%BC%9D
ツイートまとめサイトのtogetterにはさらに詳しい調査に関する情報もあります。
【三国志後伝】 三国志演義の続編として刊行され、日本で翻案されて独自に発展しつつ、各国を渡り続け生き残り、中国で復活を遂げた数奇な書物の話
https://togetter.com/li/1247279
中国本土ではほぼ忘れられていた本作が復活するまでを綿密に調査されていますので、より詳しく知りたい方はこちらをご参照頂ければ幸いです。
※
本作の内容を言えば、
ただ、中村昂然さんと尾田玄古さんは江戸時代の人ですから当然ながら文体が古く、今では読むのに忍耐が必要です。そこで、なるべく平易に、流し読める程度まで書き改めました。
登場人物の
また、正史の
ルビは固有名詞を中心に各回初出の際のみ付して後は省略します。また、古文風の言い回しや一般的な使用が想定されない用語も同様にルビを振っていますが、あくまで訳者の主観に基づいている点はご了承下さい。
解説や追記には文頭に▼を残していますが、読み飛ばして頂いても物語への影響はありません。
平成二十九年(二〇一七)、九月二十四日
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