3. BioとNics


N社の前身、ナノ・バイオロジーアカデミー(Bio)と

エレクトロニクスカンパニー(Nics)は

それぞれ生物学と通信事業を主とする別個企業だったのは周知の通り。

Bioは人体の分解・再構築技術の精度を上げ

将来的にはガン細胞又は壊死細胞の除去、

並びに適細胞との差し替えなど

危険な発想こそあれど一途に研究を重ねていて、

その内容にはWHOも一目置いていた。


そしてNicsは世界中にユーザーを持ち、

他を寄せ付けない圧倒的な通信事業主だった。

最大の武器は自社製の電波回路「NicsX1」

中継地点を世界中に構え、国をまたぐ長距離移動をしても

同じ端末で速度変化なくネットに接続できるのがウケて

SIMフリー端末を抜き世界ブランドになった。

しかし他社からモラルの無い強引な企業戦略と問題視され、

しばしば訴訟問題になるオラオラ企業でもあった。

(補足: 電波の弱い地域や山奥などネットに繋がらない場所でも

GPS経由で近くに浮遊するネット回線を探し、

その回線からNicsX1まで波乗りして無理やり接続させていたことが発覚、

回線事業主らが団体訴訟を起こしたことがある。)




ライルの言葉通り、当時NicsのBio買収は国民に疑問を抱かせた。

各々企業の事業展開は安定し精度を高める体勢に入っていたので

株主達は混乱し一悶着あったという。

Nics社の買収により“転送装置”が実現したがそれだけのために買収するには利益が乏しく

今後、両社共倒れになる可能性もある。

「時間か」と切り出した男は区切りをつけ

次の任務に取り掛かる指示をした。






?→リーダー的存在の男

スコイ→ハッキングしていた猫背色白男

イザミ→女性

オオツカ→転送の説明をしていたオールバックおさげの男

ジャッド→大柄の男

ライル→小柄な童顔男

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