第2話 自動販売機
眠い、月曜の夜なのに深夜までゲームしちゃって、明らかに寝不足。どうしようもない憂鬱と罪悪感を引き連れて出勤する。
今朝は寝坊でコーヒーが飲めなかったから、仕事前に休憩室で缶コーヒーを買う。
無糖が良いけれど、ブラックは苦手。
だって苦いしね。
ミルクだけの缶コーヒーってなかなか無いんだよなー、残念ながら。
学生の頃は我慢してブラックで飲んでいた。ブラックが飲める男がカッコイイような気がしていたんだ。なんとなく…。あの子のは見ていてくれたんだろうか?
仕方なく微糖を選ぶ。甘い…。
トレハロースのベッタリした甘さが舌に残る。だから合成甘味料は嫌なんだ。
カフェイン摂取のため、グイッと飲み干す。やはり、甘い。仕事に戻るため、缶を捨てようと隣のゴミ箱へと目をやる。
あぁ、そうだった。ココには缶を捨てる場所が無いんだった。
缶飲料を売っている側のゴミ箱が、『ペットボトル』と『燃えるゴミ』なのは如何なものか?別に誰か見ている訳でもないんだから、捨ててしまえば良いのかも知れないが、こんな時だけ湧き上がる正義感というか、さほど真面目な性格でも無いくせに、捨てるに捨てられない。毎回、あー!って思うんだ、馬鹿みたいだろ?次こそペットボトルのやつを買おう。
(そう言えば、最古の自販機はエジプトの聖水販売機なんだって。紀元前だっていうからエジプトの技術にはホント驚きだよね!日本では、1900年頃の「自動郵便切手葉書売下機」って言うのが最初みたい。ポスト機能も付いていたって言うから、なかなか便利だったんじゃないかな?今は、手紙なんてほとんど書かなくなっちゃったけれど、たまにはかいてみようかな?誰に?って、そんな友達なんていないって知っているくせに!)
仕方なく、ロッカーまで持ち帰り、帰り道で捨てる事にする。
汚れると嫌だから軽く濯ぎ、ロッカーの上に置く。帰る頃には乾いているだろう。
さて、仕事に行ってくるよ。きっと今日も恐ろしく忙しいから、仕事中は君の事も思い出せない。
あー…そう言えば、チームの咲花さん、今日から有給休暇だったなー…昨日引き続きしたやつも熟さなきゃ。
はぁ…
明日は週の真ん中水曜日。もし会えたら、またココで会おう。
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