第1話 雲の名前
履けでスッとなぞったような雲が、水色とも青とも言い難い空に散らばっている。
あぁ、もう秋が来たんだ。
昨日の空はどうだったかすら思い出せないが、たぶん同じようだったんだろう。
もしかすると、ポコポコとした羊雲だったのかもしれない。どちらも秋にはありがちな雲だ。
ココの所、空を見る余裕など無かった。
最後にみた空は、押したら、ぐっと押し返されそうな質感の入道雲が威張っていた気がする。
(雲には形状や出来る高度によって、それぞれ名前があるけれど、入道雲と積乱雲は同じモノだよ?地表近くにできる下層雲で、高度は二千メートルくらい。雷雲とも呼ばれてる。羊雲はもっと高い位置にできる中層雲で、正式名称は高積雲。二千〜七千メートルの間に出来るんだ。幅が広すぎるって?地球のサイズから考えたら、誤差みたいなもんだよ?)
その入道雲は、出勤途中に見た。朝からジリジリと暑かったので、よく覚えている。
最寄り駅で降りてから、たった20分くらいの距離に信号が6ヶ所もあるのは多すぎと思う。(しかも青に変わるまでが長い!)
あの子は「普通でしょ?なに?実家は田舎なの?」と笑ったけどね。
いかに信号に掛からないように、歩くスピードを調節するかが最重要課題のような顔をして歩く。いつも難しい顔をしていると誰かに言われたが、他人の評価なんてそんなもんだ。誰も本当なんてわからない。
まぁ、今日は休みだから、歩かないけれど。
アレって平日と休日じゃタイミングが変わるのだろうか?検証したいけれど、休みの日にわざわざ職場に行く程の欲求じゃないので、とりあえず二度寝。
二度寝って、なんであんなに心地よいんだろうね?
さっき回した洗濯が終わるまで寝ていよう。
寝ながら夕食の献立を考えよう。どうせ昼まで寝ているだろうから。
あぁ、洗濯物が皺になるなぁ…。
明日は日曜日、また会えたらココで会おう。
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