梅雨前線ネクラポップ

洗濯竿の水滴 なぞる指先のとぅるりとぅるりら


雨粒の夜空の反射 月と星々 夢の宇宙旅行は夢の中で


湿気にねじ込んだ憂鬱 時おり顔を見せる太陽の恐ろしくもあり


のらりくらり ひどく歪曲した夜を歩いては、新しい映画の続きを撮る


接続と交差、自分さがしに追う文字は堂々めぐりのスパイラル


寂しさを「酸味」と名付けた 毎晩食べる浅漬けは少しだけそれに近い


平成最後の夏と謳いつつ、来年もまた同じことをしている その鈍感さを愛していたい


金魚すくいの乱反射が待ち遠しく、陽炎の山々に郷愁を投じる


七夕の短冊に、「そこそこな暮らし」と書きなぐった

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表現 / 詩集 ──── @bnbn_magus

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