勇気━━負けない気持ち
翔さんのことが好きだから。反対されてもこの人と、ずっと一緒にいるって決めたから。何があっても…
次の休み。実家に婚約者と一緒にいくからってお母さんに言った。めっちゃ嬉しそうだったけど、見たらどう思うのかな?
その当日。
実家近くの駅で翔さんと待ち合わせ。翔さんは、もう到着してた。
「お待たせしました。遅くなってごめん。」
「大丈夫だよ?」
何か緊張してきた。それは、翔さんも一緒みたい。
「何か緊張するね。なんて言われるんだろう。」
「そうだね。」
実家にとどいた。
ピンポーン。
するとお母さんが出てきた。
「おかえ…」
お母さんは翔さんを見て固まった。
「ただいまお母さん…」
苦笑いしながらお母さんは、中にいれた。
仏壇がある畳の部屋に向かった。そこにはお父さんと、お兄ちゃんが。
お母さんが、お茶を持ってきて座り、父がこう言った。
「萌里。この人は誰だ。」
「私の彼氏。婚約者だよ。」
「こんな体のやつが?笑はせんなよ。」
お兄ちゃんが言い放った。
「翔さんのことを馬鹿にしないで!」
私はそう言い放った。だって…大好きな人を馬鹿にされてるから。
「君名前なんというのだ。」
「この度挨拶にまいりました、婚約者の末次翔です。」
「萌里、この人は、女の人なの?だったら別れて!」
お母さんはそう言う。
「翔さんは、男性だよ!」
「じゃあなんでこんな体してるんだ!」
「そうよ。」
お兄ちゃんとお母さんは、そう言った。けどお父さんは、ずっと翔さんを見ていた。
「なんでその体何だ。」
お父さんは、聞いた。
「CIDPという病気で…」
翔さんは、説明する。
「萌里。この人と別れろ。お前はこいつと結婚しちゃいけない。」
「何で…何でなの?」
翔さんも驚いて固まった。
私の心と、翔さんの心は傷ついた。
「こんな体のやつと結婚したら、萌里が冷たい目で見られる。そんな姿を、みんな見たくないんだ。」
「でも…」
「いいか、ここで、婚約を破棄しろ。」
大粒の涙が目から流れてくる。
「なんでダメなの?こんなに翔さんのことが好きなのに…お父さんは、何がわかるの?お母さんもお兄ちゃんも…」
「子供が産まれた時、もしその病気が遺伝してたらどうするの?」
お母さんがそう言うと、翔さんは、
「かかりつけの先生や、ネットで調べました。産まれてくる子どもには遺伝はしないと。」
「絶対か?」
と追いつめる。
「じゃあ調べてみてよ。二人で調べたり、病院に行って先生に聞いたりしたから。」
そう言うと、お兄ちゃんが調べる。お父さんのとこに行き、3人は話していた。
「子供に影響あたえなかったとしても、学校で、こんな体のお父さんだったら、いじめられるでしょ。」
「そだよ。」
と言った。
そう言えば、小さい時お母さんと、お父さんが言ってた言葉思い出した。
「お母さんお父さん。私が小学2年生の時かな?クラスに障害持ってる子がいじめられてるって話したの。」
「そう言えばあったわね。そんなこと。」
「その時、お母さんと、お父さんが言った言葉覚えてる?」
勇気を振り絞って聞いてみることにした。
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