第11話 かえる

 10年ほど前の、冬の日。


 ある人が心霊スポットとして有名な廃墟に友達5人ほどと一緒に侵入したが、入り口を潜った直ぐ先の埃だらけの床に お膳に乗った お茶碗いっぱいのご飯があり、そのすぐ前にびっくりするほど大きな蛙が居てこちらへ睨むような視線を送っていた。


 全員、無言で引き返した。


 蛙はいわゆるガマガエル。ご飯はほかほかと湯気が立っており、あまりに お茶碗へ盛りすぎた為に お膳にかなりこぼれていたという。

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