「衆議院議員総選挙公示」
衆議院議員総選挙が公示された。
衆議院議員総選挙前に様々な場所で党首討論が行われていたが、政策についての討論ではなく、いかに他党の足を引っ張るかに終始していた。
衆議院議員総選挙には、1180人立候補し、与党である時民党と光明党は、全ての小選挙区に立候補者を立てている。
企業からの献金を政治団体を通じて時民党に寄付している金額は、2年前に200億を超えており、お金がない政党とお金のある政党で立候補者数に差が生じているのは、歴然たる事実を示していた。
日奔国では、衆議院選挙に出馬する場合、小選挙区立候補で300万円・比例代表立候補で600万円・小選挙区と比例代表の重複立候補で900万円となっており、お金がある政党が選挙で勝つのは、常態化しつつあった。
阿部慎太郎は、今回の選挙に勝つだろうと確信しつつあった。衆議院選挙公示前に何とか感情を抑え失言しなかった事が功を奏していた。また、衆議院選挙公示前のマスメディアは、時民党をあまりクローズアップせず、希望党・立憲民守党をクローズアップしていた事も幸いしていた。
阿部慎太郎は、前回の衆議院総選挙で公約していた消費税の使い道を本来の目的である社会保障費には全て使わず、その多くは国会での議論もなくひっそりと借金返済に利用していた事を喧伝されないように、今回の増税分の半分である2兆円を教育無償化に充てる事を強調していた。
言い方を変えれば、今回の増税分の半分である2兆円は、借金返済のためなのであるが、その部分については上手く議論を躱す事が出来ていた。
全ては、選挙に勝つためであり、事実の片方だけ伝える事は効果的な方法であった・・・
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