「希望党」

 等京都知事の古池由里子は、近日中に実施される衆議院選挙に勝てると確信していた。自らが党首になることで求心力を高め、受け入れた様々な人材やこれから選挙で当選するであろう新人議員を上手く活用する事も可能になる事も視野に入れていた。


 内閣総理大臣阿部慎太郎が、臨時国会召集冒頭に解散する事についての記者会見を行う前に、希望党結党を世に知らしめる事は、希望党にとって今後の衆議院選挙にとって極めて重要な事項であった。


 古池由里子が党首である希望党は、国民を味方につける事を注視し、「国民のニーズは、メディアの方々が敷かれたレールの延長線上に無いように思います。」と希望党結党宣言記者会見の場にて、その場にいる記者達や報道番組の方々に対して、国民のための報道や質問を行うようにとやんわりと牽制した。


 数時間後、内閣総理大臣阿部慎太郎による記者会見が行われた。この記者会見では「大義なき解散」と認識されている内容を如何に払拭するかが重要であった。

 記者会見において、臨時国会冒頭で衆議院解散を行う事を述べ、引き上げられる消費税分の使い道を問うための選挙とし、国民の目を逸らそうとしたが、選挙に勝てるのであれば大義名分は何でも良いとの思惑は国民に見透かれつつあった。

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