第17話 期限設定スキル
その顧客は言った。
「それじゃ、見積もりよろしくおねがいします。」
真田はその顧客に質問をした。
「かしこまりました。それでなんですけど、いつぐらいまでにお出しすればよいでしょうか?」
「そうですね、明後日までにお願いします。」
顧客は即答した。
(明後日・・・?さすがにそれは)
「すいません、明後日はちょっと難しいですね。」
「え、そうなの?じゃあ逆にどれくらい必要ですか?」
「そうですね、えっと、この計算とこっちの裏取りが必要だから・・・」
顧客は少し苛立っていた。
・・・リバート。
その顧客は言った。
「それじゃ、見積もりよろしくおねがいします。」
真田はその顧客に伝えた。
「かしこまりました。いちど明日中に、どれくらいでお見積り出せそうかご連絡させていただきますね。」
「え?結構時間かかりますか?明後日にはもらいたいな、って思ってて。」
「なるほど、お急ぎなんですね。なるべくご希望に添いたいところながら、規模が相応にありますね。多少のお日にちをいただくことになると思います。」
「ああ、そうなんですね。」
「逆に、どうでしょう。明後日までに出せる精度のものに致しましょうか?お見積りではなく費用感のご参考の数字、といったものにはなりますが。」
「それ、助かります。それでお願いしていいですか?」
「承知しました。」
「あ、でもな。やはりお日にちをかけていただいてでも、参考の数字ではなくちゃんとした数字を出してもらったほうがいいですね。まずはどれくらいかかるか、明日教えてください。」
「なるほど、心得ました。」
顧客からの信頼度が、少し高まったようだ。
自分のプロジェクトが確実に前に動き始めた手応え。それを感じていただけたのだろうと、真田は感じた。
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