第8話
「久しぶりね。我が弟子、揚羽、胡蝶。」
私は希一との話で完璧に過去と向き合う決心をつけた。希一に集会の準備をしてもらい、私は部屋で兄さんと話した。
「そうか」
「反対しないのね」
「当たり前だ。お前が決めたことだろう。それにおれはこの日を望んでいた」
「兄さん、今まで駄々をこねてごめんなさい。」
「いいさ」
兄さんは、私の意思が急に変わったのに理由も聞かず受け止めてくれた。本当に優しい。そして、久々の華やかなドレスを着て集会に臨もうとしている。
「っ。」
「っ。ダ……ダリア様……?」
予想していた通り、希一率いる会員に集会に招待された揚羽と胡蝶の二人は会に参加するため倉庫に来た。
「そうよ。二人とも泣かないで」
「よかった。生きていらしたのですね」
ふっ。何を言ってるのかしら。彼女たちの中で私は死んだことになってたってこと?
「何言ってるの? 勝手に殺さないで、胡蝶」
ああ、懐かしい。私たち三人こうして冗談言ったり言われたり。あのときは私、二十歳くらいでこの子たちは、十代だったのよね。もう私も四十。この子たちも三十になるのね。
「亡くなっているとは思いませんでしたけど、私も元気でいるか心配していたんです。お元気そうで何よりです、ダリア様。」
「ありがとう、揚羽」
「牡丹。みんなが待っているよ。行こう」
「えぇ、兄さん。貴方たちも一緒に。そこで私が今までどうしているか教えるわ」
「はい」
「分かりました」
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