第3話

「ステラ、やったな」

 俺の正面にいるのは俺の右腕、アロン。彼はとても優秀な戦略家で、俺が今ここの椅子に座っていられるのは彼のおかげだ。

「アロン、ここは執務室だ。そういう話は自室に戻ってからな」

「でもな。やっと復讐できたんだろう、あの女に」

「だからっ」

「お前を捨て、自分の身勝手な理由を優先した女に」

 アロンは俺の言葉を遮るように言った。でも、こいつの言っていることは正しい。やっと復讐できた。憎きあの女に。

 コンコン

「ステラ様もう引き上げられた方がいいのでは」

 ドア越しにアロンの次に私が信頼を置いている部下が言った。

「分かった、そうするよ。」

 確かにもう十時を過ぎている。明日は隣国のトップとの会談があったはず。早く寝て明日に備えよう。

「自室に戻る。明日の会談にはお前も付き合え、アロン」

「了解」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る