イカサマへのイカサマ
@narsis
序章 変わらない
「ジリリリリリリリリリリリリ」
短針が5を指した時計をオフにし、一階のリビングへと降りる。降りるとそこには僕の兄、神崎ミカルと父、神崎マサタカがいつものようにソファに座っていた。
「おーい、みつる~ 朝飯ちゃんと食べろよ~」
そういえば昔はこんな会話したっけ、
と思いながら、テレビの音しか流れないこの居間でパンを口に入れる。
このパンにはいつもチーズをのせている。もちろん今日もだ。ニュースではまたかまたかのように来月にある選挙の話だ。
「つまんねぇ、同じこと言ってるのになんでこんな視聴率取れるんだろう」そう思いながらまたパンにかぶりつく。
朝ご飯は食べ終わり学校の支度も終わって学校に行く。なんて毎日らしい毎日を過ごしているのだろうとか変なこと考えながら歩く。
いつもの信号、今日は赤か。でも電車には間に合うか。だの考えて学校の正門へ着く。
学校に着くと毎日いる5人組が自分を睨んでくる。また虐められながら学校が始まる。2、3時間くらいに一回さされ答える。そして
また虐められ学校が終わる。友達なんていないから慰める人なんていない。そもそも、虐められても何も感じないし。これも毎日だ。
その夜、自分は椅子に座りながら思った。
こんな毎日って意味があるのか。
こんな毎日どうせ何も変わらないじゃないか。
自分はこんなばからしい中二病っぽいこと考えてた時だ。
《こんなしょーもない願いで変わり始めたのは》
僕は何も知らずに変わらない明日の準備を始めた。
変わらないはず...だった明日への準備
イカサマへのイカサマ @narsis
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