第37話 危機一髪

 危機一髪、何とか誤魔化せた

ようだ。

「ふゥ……」

 ボクは大きく息をついた。


《お~、ママか。まだ日本を

出てないのかァ~……?》

 スピーカーから父親の声が響いた。

「えぇ、ショーが突然、騒ぎ出すから……」

 母親は横目でボクを軽く睨んだ。


「え……?」ボクの所為か。


《やっぱ、ショーは日本に残るの

かァ~……》


「うゥ…う、ン、こっちの方が落ち着くから」


「なんか、可笑しいのよ。部屋に女の子の匂いがしたり……」

「ち、違うよ……」


《ハッハ…、健全な証拠じゃないか。その歳で、女性に興味がない方が問題だよ》

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