第36話 危機

 その時、母親の背後で着信音が聴こえた。

『……😰💦💦』

 押し入れは開けられ、アリスの姿が丸見えになった。


 ヤバい……

 見つかった~~……?


 だが、一瞬早く母親は振り返ってスマホを取ったためアリスの姿を確認できなかった。


 ボクは、その隙に、アリスに手を差し出して、急いで押し入れからクローゼットの中へ入れ換えた。


「あ、パパからだわ……」

 母親はスマホの画面を見てスピーカーにした。


「もしもし、パパァ~……?」

 母親は、再度、振り返って押し入れの中を見た。


 だが、その時には、すでにアリスの姿はなかった。





 







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る