第47話 【時事問題】十二国記と少子化問題

もう10年以上前に書いたブログの記事なのですが、たまに更新するついでにPV見ると、未だに時々見られている――っていうか、ぶっちゃけこの記事が一番読まれている……


【気づきたくなかったよ・・・十二国記の致命的な矛盾 - 黒猫屋的日常】

http://kuroneko-ya.cocolog-nifty.com/kuronekoya/2008/12/post-1513.html


今年待望の続刊が出るという小野不由美の『十二国記』

以前読んでて感じた違和感です

要約すると


・十二国記の世界では子供は夫婦が神に祈らないと生まれない

・でも荒廃した時代には夫婦も食うや食わずで子供を育てるどころじゃないはず

・王の不在期間が数十年とか続いたら、もう子供は生まれず国が滅びるんじゃね?


という三段論法

蓬莱(こっちの世界:日本)みたいに「授かり婚」なんてない世界なのです


はるか昔、延王が登極した時代とか、三代女王が続いて荒廃しつつある慶国とか

もう国の体をなさないほど人口が減っているんじゃなかろうか? と




で、最近「子供は三人以上……」とか言った大臣がいましたけれど、何も考えてなくてうっかり出来ちゃった……でもないなら、十年、二十年先も食っていけるだろうという将来に対する信頼感みたいなのがないと、結婚しても子供を産み育てるのって、安心してできるものじゃないと思うのです


勤め先が倒産したりしないだろう、自分が解雇されることはないだろう、転職するにしてもなんとかなるだろう……そんな楽観的な見通しが立たない世の中ならば、夫婦ふたりならなんとか食べていけても、子供の教育まではとてもとても……


アルバイトや契約社員で1年先、5年先の雇用もどうなっているのかわからないのに、子供が高校を卒業するまで18年、貧困におちいることなく生活できそうかどうかって考えたら自ずと答えは……ね


子供が部活でサッカーやバスケやりたいって言ってもシューズひとつ買ってやれなかったりしたら、親としてやるせないじゃないですか

自分が子供の頃買ってもらえたものが、自分は買ってやれなかったりしたら


今はまだギリギリなんとかなってるけど、どう考えても先行き暗くて、どこかの時点で一気に坂道転がり落ちそうな、十二国記の世界の柳国――今の蓬莱:日本ってそんな感じだと思うのです


状況を好転させるような妙手がない、そんな期待を抱かせる新王が現れる気配がない、そんな閉塞感

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