4ー2.活気が少し戻りました
異世界転生を果たした人々が、最初に直面するのが言語の壁だ。
第一、日本語などという一億人程しか扱う人間がいない言語が中心の世界などあるはずがない。
転生前の世界の総人口は約74億人だ。
世界人口の一割程度しか使用されていない言語が、共通言語として異世界で使用されているなんて幻想でしかない。
リスニングという点においても同様である。
都合よく言語は異なるが聞き取ることが出来るなど夢物語でしかない。
異世界転生そのものが夢物語のようなものではあるが、実際に転生しているのだから仕方ない。
異世界で学校を始めるから手伝わないか? と声をかけてもらってから早、十数年。
あの人も年を取った。
私は見た目に変化はない。
それが、エルフとしてこの世界について生を受けた故の特権であった。
私は先生として〈異世界学基礎〉と〈異世界語学①~⑩〉に〈異世界地学〉に加えて、〈魔法基礎学〉を教えている。
しかし、受け持つクラスは卒業を控えた修了クラスで、ほとんど生徒と顔を合わせない。
と言うより、教えることが何もないのだ。
みんなバイトに行って教室はもぬけの殻。
真面目な子たちは教室にはきてくれるものの自習ばかりしている。
私も前世は似たようなものだったけど。
そんな中、籾木先生が生徒を何人か引き連れて帰ってきた。
「ちゃんと教室に顔を出せ。誰もいない教室は寂しいからな」
自分の実体験を語っているのだろうか。少し声が震えている。
「だからちゃんと学校来いや!」
「逆ギレ!? 先公がそんな口聞いていいのかよ!」
「馬鹿かお前ら。ここは異世界。口うるさい教育委員会も保護者もいない。教員天国だ!」
「「史上最悪の学校だよ!!」」
生徒の総ツッコミが入った。
みんな
久しぶりに教室に活気が戻った。
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※世界総人口って74億人を超えてるんですね。調べててビックリしました。
昔、学校で60億人って習った気がするんだけど、人口右肩上がりですね。日本は人口減少傾向だっていうのに。
みんな長生き。元気が一番! 健康一番!!
ちなみに私は、THE不健康です!!
次回へ続く。
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