1ー3.ステータスを確認

 籾木涼介著作の攻略本を片手に現在地である『フール村』から最も近い街『カルーラ』を目指す。


 歩いてかなりの時間が経過した。

 地図上では近いと思ったのだが実際には遠いものだ。


 よくよく縮尺を見てみると1ミリが100キロとなっていた。

 世界地図でもここまでの縮尺じゃないだろ、などとツッコミながら歩みを進める。


 そういえば神様に身体強化してもらっていたんだった。

 今の今まで忘れていた。


 走ってみるか。


 異世界転生を果たしたのだからスキルとかあるよね。

 なんか使えそうなスキルとか持ってないのか俺。


 攻略本の目次を開く。


 スキルについて……P10


 やっぱりあった。


 なになに、ステータスと口に出すとステータスが確認できる、か。


「ステータス」


 おっ、出た。


 ◆マコト ♂

 種族 :人間

 クラス:-

 レベル:1

 HP :5500/5500

 MP :10/10

 攻撃力:4500

 防御力:3900

 敏捷性:5900

 運命力:0

 

 アビリティ:竜殺し・心眼・異常状態無効

 スキル:ブースト・リンク



 おお! かなりステータス高いじゃん! さすが神様補正、レベル1でこれは凄い。MPめちゃくちゃ低いけど。それにしても運命力0って……。


 身体強化を頼んだのだから仕方ない。


 ステータス同様スキルも口頭での発動、か。

 使えそうなのはブーストだな。


「ブースト」


 何か変わったのか?


 踏み込む足が大地を抉った。


 うわあぁぁぁぁぁああ!?


 慌てて急停止。


「びっくりしたぁ」

 でも、これ使えば数千キロの道のりもあっという間じゃね?


「ブースト」


 一気に加速する。基のステータスに上乗せされたスキルの効果は絶大だった。


 流れる景色が伸びてゆく。

 まるで自分が風になったようだ。


 走り始めて小一時間。

 遠くに街の灯りが見えた。もう一息だ。


「ブースト」

 俺はさらに加速した。


 …………

 ……

 …


「何だこれ……」


 目の前に広がる光景に愕然とした。

 並び建つ高層ビル群。最初の村からは想像もつかない超が付くほどの近代的光景。ここは西洋風の世界じゃないのか?


「ようこそ、チートの巣窟『カルーラ』へ」


 俺を出迎えたのは銀髪にエメラルド色の瞳に耳の尖った美少女。

 異世界でお約束のあれだ、亜人―エルフというヤツだ。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


※エルフっていいですよね。耳が尖っているだけと言えばそれまでなんだけど……あと、美少女や美男が多いイメージですね。

 このイメージは中々崩せない。崩したくもないですけど。


 次話もよろしくです。

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