186話『新しいお友達と、あの人が重ねる』天使編
大怪我をしていつの間にか意識を失っていた俺が目を覚ました場所は、知ってるけど知らない場所だった
「あっ!目を覚ましたのね!天使様」
まだ意識がハッキリしない俺の目の前に顔を覗かせたのはいつも元気なマールミだった
ここは……
そうか、この空気の感じ…結夢ちゃんの聖地だ
逃げ込んだ場所がここだったんだな
そして、ここはたぶんマールミの家
ベットから起き上がろうとしたら、マールミに制される
「まだ治ってないわ!寝てて」
……香月に両足を切断されて、魔法で少しずつは治せるけどまだ時間がかかりそう
レイ……ごめんね
また過去に戻る魔法の力が溜まったらやり直すから
「ありがとう…休ませてもらうね」
「もちろん!ねね!貴方って結夢様の天使様ではないね?どなたの天使様なの?」
いつも元気なマールミはお喋りが好きだ
とくに神様マニアで神様の話が大好き
落ち込む俺にマールミのお喋りは気が紛れる
「……セレン様…かな」
マールミとお喋りは楽しいけど、天使に見えても天使じゃないって説明は長くなるからとりあえずこの世界の天使として話を合わせた
そう考えた時、すぐにあの人の生き写しのセレン様の顔が浮かんだ
俺を創ったあの人……
俺の育ての親は別の人で、その人のコトも大好きで感謝してるけど
この世界に来てから、セレン様に優しくされると…その度に俺を創ったあの人もこんなに俺を愛してくれたらなっていつも過る
どんなに酷いコトをされても、愛してもらえなくても、憎まれても…俺を創った人は俺のお母さんなんだもん
愛されたかったって…この世界のセレン様に重なる
別の人なのに……
「セレン様!?あのとてもお美しいニートの女神様ね!!」
セレン様ニートなんだ…
未来では生死の神和彦の補佐やってるよ!(サボってるけど)
「この国の神様は女神結夢様よ、守護と純潔の女神様で」
ペラペラとマールミの神様トークが始まる
うん、知ってる結夢ちゃんのコト
結夢ちゃんはこの国で幸せに暮らしていたんだよね
それを守りたかっただけなのに…レイを死なせてしまうなんて……
「結夢ちゃん…会いたいな…」
「わかるー!アタシも女神結夢様に会いた~い!!
でも、女神結夢様は他の神様と違って姿も見えないし声も聞こえないの
会いたくても会えないのね~、アタシくらいの神様マニアなら妄想で」
「………えっ?」
……時間が止まるような感覚に陥る
結夢ちゃんの姿は見えない
どうして?
そんなの知らないよ!?
それじゃ、過去を変えたら二度と結夢ちゃんには会えないってコト!?
なんで!?どうして!?
ヤダ…それは凄く嫌だ……
心が冷たくなって痛い…
「…どうしたの?天使様なんだかさっきよりも顔色が悪いみたい」
マールミは俺の心配をしてくれてるのに、俺は何も聞こえないくらい塞ぎ込む
何しに過去に来たんだろう…俺はどうしたかったんだろう
結夢ちゃんの幸せを守りたかったハズなのに
それを守るコトで会えなくなると聞いて、俺は……
嫌だと思ったら、過去に来たコトは失敗だと思ってしまってる
魔法力が回復して、もう一度過去に戻ってレイを助けられたとして
結夢ちゃんに会えなくなってしまうくらいなら過去なんて変えるべきじゃないと思うのは
俺は自分のコトしか考えられない子供だからか
みんな俺を子供扱いして当然だと思い知らされる
大人なら大切な人の幸せを考えられるハズなのに…
いつも大人になりたいと強く願ってる俺は、やっぱりずっと子供のままなんだ
結夢ちゃんに会いたい、この気持ちだけが強くなって
最悪だ最低だ…俺なんて結夢ちゃんの友達を名乗る資格ないよ
「おまえの悩みを解決してやろうか」
頭の中に直接話し掛けてくるような感じの声が聞こえる
顔を上げるとそこには真っ黒な影のようなものが存在した
いつの間にかマールミもいなくなっていて、重たい空気を感じるのに
いつもの俺なら付け入られる隙はない
人の弱味を嗅ぎ付け願いを叶えると都合の良い言葉で誘い不幸にさせその魂を食らう
「……俺の悩みを解決…?できるの…?」
「もちろんだ、この契約書にサインすれば悩みは解決する」
目の前に差し出されたペンを手に取った
なんでもよかった…悩みがなくなるなら、なんでもいい
よくないとわかってるのに、今の俺にはそのペンを取ってサインをするコトしか考えられなかった
嫌なコトから逃げたいだけ、自分の子供なワガママをどうにかしたかっただけ
追い詰められた人が悪魔の手を取ってしまう気持ちが今ならわかる
レイが大悪魔シンと契約したのも、自分じゃどうしようもなくて
どんなコトでも願いを叶えたかったんだ
「サインを…」
悪魔の言葉に頷き、願いを口にしながらサインを…
「俺の願いは…」
「っうわあああああああ!!!!!早まってはいけなーーーい!!!」
耳を貫くような叫び声が聞こえたかと思うと手を叩かれサインする前にペンを落とす
一気に空気が変わって騒がしくなると、悪魔は舌打ちをして姿を消した
「危なかったでござるな、さっきの輩は悪魔で悪者でござるよ
9歳のいたいけな童を狙うとは卑怯なり
ちなみに9歳は幼子であるが、拙者はショタには興味ないでござる」
ショタ…?
実年齢は9歳でも、身体は23歳のセリくんと同じ成人男性だもん!!だから子供じゃないもん!!
いや…セリくんは若く見えるからやっぱり子供っぽく見えるのかな?
レイなんて最初セリくんのコト年下の15歳くらいと思ってたとか言ってたな…ムムム、それじゃ俺はいつ大人になれるんだ…
どうやら、忍者っぽい人と羊っぽい魔族が俺を悪魔から守ってくれたみたいだ
「どひゃーーーー!!!本当にセリ様に翼が生えただけのソックリさん!?
セリ様よりピュア満開な感じのオーラがオレの目に染みるぅーーー!!」
「さっきからうるさいでござるよ陽キャ羊男!!」
「待って?セリ様のコトは女とか言ってたくせに、セリ様にソックリなこちらの天使様は男に見えるってどんな目しとん?」
「ロリを極めし拙者がロリとショタを間違えるわけなかろう!!」
………2人とも個性的だね
忍者っぽい人はロック、羊っぽい魔族はラナで俺を捜していたと言う
この街に来てたまたまマールミに声をかけたみたいで俺の居場所がわかったみたいだ
「童の天使よ、悪魔と契約はいけない事だと母上に教わらなかったでござるか?」
「危なかったっすよ天使様、オレらが一歩遅かったら…メッ!」
怒られてしまった…
そんなコト…わかってるよ
危ないコトだって
でも
「どうしようも……なかったんだもん!!
仕方ないじゃん!!自分じゃどうもできないから!!
悩み事解決してくれるって言うんだもん!!」
「そんなのは悪魔の手口で」
「じゃあ君達が俺の悩みを解決してくれるの!?できるの!?無理なくせに!!
もう俺のコトなんてほっといてよ!!わあああ!!うわああああ!!!」
声を上げて泣き出してしまった
俺は子供じゃないって言うくせに、子供っぽく泣き喚いて八つ当たりして悪い子になってる
「ひ、ひえ~………な、泣かないで~飴ちゃんあげるからね~」
飴ちゃんの言葉でピタッと涙が止まってラナの方にチラッと目をやる
「……持ってなかった……」
「わあああああ!!ウソつきーーー!!」
「なんなんでござる!?羊男、調子良い事ばかり言うなでござる!!
余計ワッパが泣き喚いて手が着けられなくなったではないか!!」
「すませーん!!すぐにお菓子買ってくるから待ってて!」
数分後、ラナはお菓子を大量に買ってきてくれたからとりあえず泣き止んだ
「ラムネ美味し~」
色んなお菓子があって嬉しい、ご機嫌!
「ふぅ…ガキンチョのご機嫌取りは安価で助かるなぁ
オレの女達が機嫌を損ねた時は大変だし、高級ブランド物でも与えないと許してくれないよ」
「リア充は爆発しろでござる、なんだ女達の達ってのはハーレムでも作ってるのでござるか」
次はなんのお菓子食べようかな~
袋の中に手を入れて掴んで取り出すと、きなこ餅だった
「はい、2人にもお菓子」
そのまま俺はラナとロックにきなこ餅を差し出して、ニッコリと笑った
「お菓子を独り占めしないであげるなんて良い子でござるな」
「天使の笑顔じゃん!心が洗われて消えそう!!
セリ様にソックリでも天使様は子供特有の笑顔っすね!!」
うん、きなこ嫌いだからあげるね
後はナッツも嫌いだからナッツ入りのチョコもあげた
「落ち着いたところで、童の天使の悩みを話してくださらぬか?」
「そうそう!オレ達で力になれるなら協力するし!!」
ご機嫌にお菓子を食べる俺を見守ってくれていた2人は優しく言ってくれた
落ち着いてわかったんだ…
さっき怒ってくれたのは俺のためだってコト、なのに俺は子供みたいに泣き喚いて八つ当たりしたのに
それでも2人は俺を見捨てなかった
良い人だって、わかった
セリくんのお友達だっけ…
セリくんは本当は悪い人だって聞いてたけど……だんだんわからなくなってきた
未来の世界だってそうだけど、セリくんの周りは良い人達ばかりだ
悪い人の周りに良い人達が集まるだろうか?
俺だってセリくんのコトは好きだよ
でも…最近はなんか…ヤなんだもん…
どうしてかな…セリくんが結夢ちゃんと仲良くしてるとことか……嫌な気持ちになる
「ロック…ラナ…ありがとう
でも、俺の悩みはどうしようもないコトで」
「どうしようもないなら、話すだけでも気持ちが楽になる事もあるでござる
話したくないなら無理にとは言わぬが、拙者達はいつでも聞くでござるよ」
「そうそう!お兄さん達になんでも言ってみ!?」
話すコトで…気持ちが楽になる?
そういえば誰にも話したコトないや
俺はちょっとずつ話してみた
自分が何にモヤモヤしてるのか、嫌なのかもハッキリとはわからないから
こんなコト話していいのかもわからないもん…
「よく…わかんないんだけど……
俺のお友達の女の子と…セリくんが仲良くしてるの見てたら……凄く嫌な気持ちになって」
ほっほーとラナなニヤニヤしながら聞いてるのとは反対にロックは険しかった
「わかる、わかるでござるよ!
おなごと楽しく話す男に腹が立つ気持ちは拙者は強~く心の奥底から~許せないでござる!!」
えっ…そうなの?これが普通なの?
ロックの憎しみに満ちた表情がなんか怖かった
「バッカ!!おまーは全然わかってねぇべ!!?余計こんがらがるだろーが!」
すかさずラナがロックの頭を叩いた
「天使様それはヤキモチっすよ~
誰にでもある事っすからそんなに気にしなくていいんよ」
「ヤキモチ??」
「そそ、好きな女の子が他の男と楽しく話してたらムッとしちゃうのがヤキモチよ」
「好きな女の子…?でも俺はみんなのコト好きだよ?」
「好きの種類が違うと言うか~」
「好きに種類があるの?何が違うの?」
「そりゃ~その女とヤり…」
ラナはロックに殺された
なんで!?魔族だから本当には死んでないけど、暫く起き上がれないくらいのダメージは受けている
「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」
ロックは明らかになんか誤魔化して微笑みながら何度も頷いている
「童の天使様もそのうちわかるでござる
焦らずご自分のペースで、それが1番ですな」
自分のペース…それって俺が大人じゃないから子供だからってコト?
でもロックの言う通り焦ったって良いコトないのは、そうだよね…
「それに天使様はセリ様の事も好きっしょ?
なら信じていいんじゃねっすかねぇ
セリ様は天使様を裏切ったりしないって、それだけはオレが保証する」
復活早いな
ラナの当たり前の言葉に目が覚める
俺はセリくんのコトも大好き、だってセリカちゃんのコト大好きだもん
本当は悪い奴だって聞かされても心の奥底までそれだけは信じられなかった
だから余計にワケわからなくなって…
結夢ちゃんの気持ちを聞いてもいないのに、勝手に助けなきゃって追い詰められて……
「だって…知らない神族の人がセリくんは悪い奴って言った」
「知らない奴の言う事と自分の好きな友達とどっち信じるんすか?」
「そんなの聞かなくてもわかるでござろう?」
わかってるのに聞いたのは、確信したかったからだ
グラグラな俺の足元をちゃんと地に足を付けて、もう迷わないってまた一歩大人になるから
そのために、みんなの力がまだまだ必要なんだ
子供の俺が大人に成長するために
「ラナならロックなら、そう言ってくれるって信じてた
ありがとう、俺は大好きな友達…セリくんを信じるよ
ラナもロックももう大好きな友達だから2人の言うコトは信じられるね」
俺が笑うと2人は安心したように笑ってくれた
ここは過去の世界だから、何もかもを元に戻して未来に帰ったら2人とは他人だけど
また未来でラナとロックと友達になるんだ、絶対に
「俺が未来の人だってセリくんから聞いてるとは思うけど
ラナもロックも、未来でも俺の友達になってくれる?」
「もちろん!」「もちろんでござるよ」
嬉しいな…嬉しい
未来でまた会えるのが凄く楽しみ
「じゃ、セリ様と仲直りしに行くっすかね」
「うん!」
こうして俺達は2人とはぐれてしまったセリくんを捜すコトになった
そして、俺は知らなかった
過去はこうして元気に生きている2人が、未来ではもう会えないコトに…
ラナとロックは俺を捜していたハズなのに今度はセリくんを捜すコトになってしまった
とりあえず、セリくんが1人なのは危険だから香月か和彦のとこにお世話になってるかもって考える
香月には殺されかけたけど、魔族のラナがついてるから安心?
生死の神になる前の人間の和彦の家なんか知らないしな
そんなこんなでセリくんを捜している途中で、未来から俺達を心配して来てくれたみんなに出会えた
俺の世界のイングとせりかちゃんと(ややこしい)未来のイングヴェィとセリカちゃんと結夢ちゃんとセレン様
俺は…立ち止まってしまった
まだセリくんに謝れてないのに、みんなにどんな顔して会えばいいかわからなくて
そんな俺を隣にいるラナとロックが心配してくれる
どうしよう……
それに、こんな過去をめちゃくちゃにして…絶対に怒られる
みんなが俺の名前を呼ぶのに耳を塞ぎたくなる
でも、その中で1番声が響いたのはセレン様だった
「せり…!!」
その声で名前を呼ばれると顔を上げる
他のみんなもセレン様がそんなに大きな声を出すコトにビックリして立ち止まり、セレン様だけが俺の前へと近寄る
怒ってる…怒られる……叩かれる……
セレン様は……俺を創った人に瓜二つだった
母親のような存在…俺を少しも愛してくれなくて、物として壊された
だから、目の前のセレン様も怖い人だって…俺を叩いて……
「なんて…悪い子なの!!」
目をつむって身を縮める
だけど
「皆さんに沢山の心配をかけるなんて…なんて悪い子なの…
セレンがどれだけ心配したか…胸痛めた事でしょう…」
俺が思っていたのとは違った
セレン様は屈むと俺を優しく抱き締めたのだ
涙の匂いがする…声が霞んでいるコトにも気付く
この温もりも……優しさが溢れてる
「セレン…様…ごめんっなさい…
こんな悪いコトして……後悔してる」
戸惑って言葉が詰まる
一瞬だけ信じられなかった…でもすぐに信じられた
だって、今抱き締めてくれてるセレン様はどれだけ姿がそっくりでも俺の知ってる人とは違うって知っているから
「もういいんですのよ、無事でいてくれたんですもの
それに自分が悪いとちゃんと謝れるせりは良い子ですわ」
優しく撫でてくれる…それが俺の涙も誘う
「さぁせり、皆さんにも顔を見せて安心させてあげなさいな」
少しして俺が落ち着くのを待ってからセレン様は俺を離してみんなの所へ行くように背中を押した
優しいセレン様…
違うって知ってても……それでも重ねてしまうから
あの人にもこうして俺を抱き締めてほしかったって思う
だって、俺を創っくれた人なのだから
あの人がいなきゃ俺は存在しない
とにかく愛されたかった
どんなに嫌われ憎まれていても
「はい!セレン様!」
重ねちゃダメだってわかってる
目の前のセレン様はこの世界の新しい……友達?仲間?お母さんみたいとは思うけどなんて表現するのかわからないけど、大切な人のひとりなんだもんね
「あの…みんな、心配かけてごめんなさい
勝手に過去に行く魔法使ってめちゃくちゃにして本当にごめんなさい」
セレン様は怒らなかったけど誰かに怒られるって思ってたら、誰も怒らなかった
いつも怒ってるせりかちゃんも
「今回のコトは怒っても仕方ないわ
せりくんは騙されたんだし、まぁ知らない人を簡単に信じるなとは怒りたいけど
自分から謝ったってコトは気付いて反省できてるもの」
「うん…セリくんに会って謝るよ
それから過去を元に戻して未来に帰る」
って言ったら、イングがここは本当の過去の世界じゃなくてセリくんの夢の中で過去の体験をしてるだけと聞いて
めちゃくちゃ恥ずかしくなった!!俺の魔法力だけで過去に行けるなんて無理に決まってんじゃん!?
俺の魔法のせいで痛みは感じるしリアルさはあっても夢は夢……
「夢の中でも魔法を使ってるからセリくんに何かあったら大変なんだよ」
「ご、ごめんなさい…」
「私が無事だから大丈夫よ天使
同じ空間にいるならセリくんの居場所も自分である私ならわかるから、すぐに合流できるわ」
イングから事の重大さを教えられ青ざめている俺にセリカちゃんは俺を安心させてくれる
結夢ちゃんもずっと俺を心配していたと手を握ってくれていた
結夢ちゃんを助けるつもりだったのに…こんなに心配かけるなんて…
俺は何も見えてなかった
結夢ちゃんは話せないからわからないコトもあるって思ってたけど、顔を見ればなんとなくわかるのに
だっていつも一緒だしいつも見てるから、君の表情で何を伝えたいかなんて俺にはわかるもん
俺のしたコトは間違っていたって…
もう…間違わないよ…
でも…やっぱりセリくんと仲良くされるのはなんか…嫌かな!?
「よかったっすね!天使様!」
「優しい世界でござる」
ラナとロックはずっと見守ってくれていた
あっそうだ、セリカちゃんに言っておかないと
「ラナとロックとお友達になったんだ!
未来でも仲良くしたいから帰ったら紹介してね、セリカちゃん」
「えっ?」
俺が笑って言うとセリカちゃんの表情は複雑に固まる
「そう…ラナとロックと未来でもお友達に……」
「どうかしたのセリカちゃん?」
俺はセリカちゃんに聞いたけど口をつぐむセリカちゃんの代わりにイングヴェィが言うと
「ラナとロックはっ」
セリカちゃんがイングヴェィの口を手で塞いだ
「落ち着いたら伝えるわ…今はまだ…
ロック、ラナ、天使を助けてくれてありがとう
いつも感謝してるのよ」
セリカちゃんは俺を避けるようにロックとラナに話し掛ける
その姿は懐かしそうで悲しそうな…複雑な姿に見えた
気になるけど
今は…セリくんと合流してちゃんと謝ってみんなで未来へ帰る
そして、未来のラナとロックに会おう
-続く-
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