第84話『私と私の違い』セリカ編

私が回復魔法を使えないコトにショックを受けて動けなくなったから、イングヴェィは捕まってしまった

私のせいだ…

助けに行かなきゃ、でも強くもないくせに唯一の取り柄の回復魔法も使えない

こんなのどうすれば…

「セリカさん、落ち込まないで

イングヴェィはなんとかして助ける」

カトルもリジェウェィも私を気遣って優しく言葉をかけてくれる

「当然だ、セリカは何も心配する事はない

しかし、敵の前で魔法が使えないのは厄介だな」

今は普段通り使えるとリジェウェィは火魔法でお手玉してみせた

「リジェウェィ、ふざけてる?」

「何度も言わせるな、オレはふざけた事は一度もない」

今はツッコミする気にもなれなかった

魔法無効か…前にイングヴェィとそんな村に入って散々な目に合ったのを思い出す

あの魔法無効にする書物は全て香月達が回収して、魔族が厳重に管理しているハズ

管理者は魔族の中でも真面目で信頼できる人とは聞いているが…

いいや、あの香月よ

そんなコトはあるハズがない

それじゃあ…他にもそういう魔法を無効にする術があった…?

「普通の人間ではない、悪魔の力を得た人間とは言え

魔法を無効にする悪魔などは存在しない…今までは」

「悪魔がそれを発見した?それとも人間が?

魔法が使えない世界になったら僕達は死ぬ」

恐ろしいとカトルは綿菓子を食べながら震えている

その綿菓子を横から摘まむユウキが口を開く

「魔法がだめなら僕とパパが、イングヴェィさんを助けに行くよ」

「触れた生き物を爆発させる能力のユウキと殺人ぬいぐるみか…いけるかもしれないが」

リジェウェィは私に視線を送る

「ダメよ」

私の言葉にリジェウェィもカトルも頷く

「ユウキもイチゴくんも強いけれど、生身の人間と掴まれたらお終いのぬいぐるみ

下手したら負けて殺されるわ」

助けはしたいが、負けるかもしれないの時点じゃウンとは言えない

私が回復魔法さえ使えれば、ふたりにお願いするかもしれないけれど

「セリカさんは心配性だね、僕達は今まで負けた事がないよ」

「この先一生負けはないなんて保証はないの」

「えー、セリカさんにカッコイイ所みせたいのに!」

ユウキが納得いかないと言うと私の腕の中でイチゴくんがうごうごと動き喋る

「大人しくしろユウキ、オレ様もお前が心配だ

姐さんの回復魔法が使えないなら行くべきじゃあねぇ」

「パパ!?パパどうしたの!?

いつも怪我したら舐めときゃ治る、骨折しようが腹に穴が空こうが殺せ殺せ!と言ってたのに!?

誰なの、この人!?」

ユウキは私の腕からイチゴくんを引っ張って問い詰めた

「オレ様はお前に立派な人間として育ってほしく」

「パパはそんな事言わない!!」

人(?)変わりすぎでしょ殺人ぬいぐるみ…

悪魔に魂を売った人間達…か

話が一向に進まずにいると、私達がいる応接間のドアがノックされ開く

あっ…私は入って来る人の顔を見なくてもわかった

「セリカ!助けに来たぞ!」

セリくん…何故か、落ち込み中の私と違ってめちゃくちゃ元気だ

私なのにこの差はなんなのか

それにセリくんは今レイと喧嘩中のはず、聞かなくてもわかるもの

「助けに来たって、セリくんは私と一緒でそんなに強くは…」

セリくんと私を見比べながらユウキはイチゴくんに小声で話し掛ける

「えっ?だれあの綺麗な人…セリカさんと双子の姉妹なの?」

「いいや、後から来た方は勇者だ

名前はセリだとよ、はじめて見るが噂通り美人だな

あれでも一応男だからな」

なんだ男かー、と興味が一瞬で失せたユウキ

セリくんが私のピンチを察して助けに来てくれたのは嬉しいけれど…回復魔法は使えないから意味ないよ

今日は喧嘩中のレイと一緒じゃないみたいだし

「セリカ、これなーんだ?」

セリくんはふふふと楽しそうに私の目の前にあるものを差し出す

「…剣」

としか言いようがない

「うん…まぁ、間違ってない」

「それは…もしや伝説の聖剣か?」

リジェウェィが珍しいものを見る目をして驚く

隣でカトルも知っていたのか関心している

「当たり!」

聖剣?最近セリくんが負けなしなのは感じていたけれど、まさかそんな凄そうなものを手に入れていたなんて

私の腰にある勇者の剣が嫉妬しているのか、小刻みに震え刃を真っ赤にしている

「聖剣のおかげで俺は最強なんだ、だからセリカのピンチだって救えるぜ」

「ありがたいけれど…自信満々なのもちゃんと伝わってくるけれど…」

それでも不安だ、なんたって私なのだから

私が強くなったんじゃなくて、聖剣が強いだけ

少しでもその手から離れるコトがあったら、即死亡だもん…やっぱり不安だ!

「不安だよね…うん、わかる…だって俺だもん」

私の思うコトはセリくんだって当然思っている

それでも自信満々なのは

「安心しろ!助っ人を呼んでおいたから!!」

ドアの前で待たせていたらしく、呼ぶと助っ人が部屋に入ってきた

なんで最初から一緒に入って来ないの?

助っ人として呼ばれたのは和彦だった

「やぁセリカ、皆さんは初めまして」

ユウキとイチゴくんは和彦の登場でその恐ろしい雰囲気に圧倒されている

和彦は香月とはまた違った強い空気を持っていた

表情もやわらかく怒っているワケでも無表情なワケでもない

なにより和彦は怒ったコトがないらしい

セリくんが一緒にいる時は、一緒にいない時まではどうかはわからないが

それでも、本能が殺されると言う錯覚みたいな恐怖を感じるようだ

私はセリくんが付き合いも長いし、恐さなんてないけれど

「初めまして、協力して頂けてとてもありがたい」

「助かる、僕達だけでは今回は厳しくて」

関係ないのに助けてくれるなんてめっちゃ良い人じゃん!?って感じにリジェウェィもカトルも感謝している

「気にする事はない

いつもセリくんとセリカがお世話になっているのだから

今回はセリくんのお願いで、快く引き受けた事」

誰!?和彦って自由で勝手なイメージがあったよ

そう言う対応も出来て言えるんだ…知らなかったわ

まぁセリくんや私のコトは和彦にとってはモノだから、今和彦が対応してるのは人だもんね

モノと人では違うのは当たり前ってか?

とにかく、和彦の助っ人は私も心強かった

聖剣は確かにとても強力な武器で強い

でも、セリくんは変な所でドジるのと回復魔法が使えない状態では不安があった

だからセリくんは和彦にお願いしてくれたんだ

レイは頼めばイングヴェィを助けるのに手を貸してくれたかもしれない

でも、イングヴェィはレイに借りを作りたくないだろうし

セリくんなりに気を使ってるんだ

さらに喧嘩中だしな

「和彦、ありがとう…迷惑かけてゴメンね」

誰かの力を借りるのは自分が無力だから、そのコトで迷惑をかけるのを私はやっぱり嫌なんだ…

みんな、素直に心からありがとうと言えるのに

私は同じ言葉を口にしても、心の中では申し訳ない気持ちでたくさんだった

「迷惑?そんな事思ってない、考えた事もない

他人行儀だなセリカは」

和彦は当たり前のように私の腰を引き寄せた

「オレはセリくんに、セリカに、お願いされたり頼られたりしたい

そういうの嬉しいって、好きなら思うんじゃないか?」

いつもなら和彦を突き放すのに、私はそう言われて自分の考えが刺激される

それ…イングヴェィもレイもそう言ってくれる

和彦だってそうなんだって、わかってるハズなのに

それでも私は遠慮してしまう、気が引けてしまう

今まで誰かに頼ったりできなかった癖みたいなものが根強い

セリくんは私なのに、私とは違う…

「出来もしないのに、知らない所で無謀されて取り返しが付かない事になるよりよっぽどいい

頭の良いセリカならわかると思うが?」

さっきの言葉がセリくんの心にグサッと刺さった

出来ないのに無謀をよくやるもんね

「わかりました、和彦の協力を受けます」

「素直で可愛いね」

すっと私の頬を撫でて和彦は離れる

和彦の助けは正直ありがたい

魔法の使えない状況は手詰まりだったから

でも、やっぱり誰かに頼るのは…


そうして、和彦とセリくんと私の3人でイングヴェィを連れ去った連中を追い掛けた

リジェウェィやカトルも同行すると言ってくれたけれど、あまり大人数も足手まといになるだけで

私を連れて来てくれたのは、心配だろうからって和彦は私だけを同行させてくれた

「セリカ、遠慮しないで和彦には甘えとけばいいよ」

道中でセリくんはコッソリとそう言って笑う

甘えるって言っても…どうしたらいいのかわからない

セリくんはそれがもうできてるみたいなのに、私なのにそれがよくわからない

私じゃないみたいで、今の自分と話すのが恐いと感じてしまう

「甘えるって…仮にそれができたとしたらもっとセクハラされそうだわ

和彦ってばすぐセクハラするんだから」

セリくんが和彦のコト好きだから、心の底から嫌と言う感情はなくて余計に変な感じだ

私は和彦の恋人じゃないし、そんなのは嫌なのに

「それは仕方ないかも、でもセリカには絶対に手を出さないぜ」

「なんで絶対って言い切れるの?」

「俺がそう言ってるってのはあってないようなものだケド、アイツは自分のしたいコトは俺の反対なんて聞かないし

でも、セリカは和彦の好み(俺)なのに会ったその日に襲ってない!そんなの絶対ありえねぇ!!?」

無事なコトが奇跡かのように言う

自分は中学の時にただのクラスメートで大人になって再会したら、その日に喰われて最悪な出会いだったと言う

そんな過去があって、なんで好きになったのか謎なんだけど…

「和彦は自己中だしワガママだし自分勝手だし」

それセリくんのコトでは?

「だけど…なんやかんや良い奴だから…」

おいおい、顔がにやけてるぞ、惚気てるわ

「人間である分、香月よりは人間味あるよ

セリカのコト気にかけてるんだと思う

だって、俺だしね」

とセリくんは私を指差して笑った

じゃないと、いくら俺のお願いでも来てくれないよって

その笑顔は今までに見たコトない、私にはない笑顔だった

照れくさいような恥ずかしいような、でも嬉しくて幸せそうな…

「あれでも今は丸くなったほうだぞ、昔はもっと勝手で酷かった

和彦も成長したんやなって、今の和彦は昔より好き」

好きって言葉…私がウサギやかわいいものに言う好きとは違う

目の前は私なのに、私じゃないみたい

私は置いていかれているようだ

「俺が殺されてから、たぶんその時に俺の大切さに気付いたんだと思う

和彦って変わってるけど、そういうトコは素直に感じてわかったのかも

でも、たまに善人(?)な和彦はキモッ!って思うケド、まぁ俺は今も昔もどっちも好きだよ」

惚気がやっぱウザイ

…私なのに、私じゃないコトが

置いていかれたみたいで恐いんだ

焦っても焦っても、わからないものはわからないのに

「こっちの世界に来てからモノじゃなくなった

それはそれで気楽だったのに、こうなったらこうなったらで嬉しいんだ

セリカにもわかる日が来るさ」

私は焦ってしまう

前向きに頑張るって宣言したのに、全然できなくてわからなくて

結局はどうしたらいいのかもわからない

頭で考えても答えなんて少しも見えて来ないんだから…

「着いたみたいだ、セリくんとセリカはここにいて」

敵のアジトに着くと門番が数人いるのが見えて、足手まといだからと和彦は私達に隠れているように言った

危ないからじゃなくて足手まといと言う所が和彦らしい

隠れながら和彦の様子を見る

何処から侵入するんだろう、どうやってイングヴェィを助けるんだろうと思っていると

和彦は堂々と正面から行った

ウソでしょ!?

あっさりと門番の数人は倒したけれど、当たり前のように中から敵がわんさか沸いて出てくる

「がんばれがんばれ!和彦!!」

セリくんは心配なんて皆無でスポーツの応援でもするかのように声援を送っている

正面から堂々なんて…ただのバカか、よっぽど自分に自信があるかのどっちかよ

セリくんの様子を見れば後者、しかも自他共に絶対の自信がある

確かに和彦は強すぎた

何故なら、人間も悪魔も一瞬で片付いてしまったから

「さすが和彦!」

素敵!と言わんばかりに笑顔のセリくんと強すぎにドン引きしてる私のテンションの差…

もう…めっちゃ好きなんだね…ってわかり過ぎるくらい熱い

魔王の香月より強いかも…人間辞めてない?

大丈夫?あんな化け物と付き合ってて?

いや…魔王の恋人になれるからこそセリくん以外あれも無理なのかもしれない

恐い…

なんか色々恐い

冷静になって考えて、魔王と人間辞めてる人間の恋人って…恐いわ

私なら恋愛する気にもなれない

どっちかひとりならギリいけるかなって思っても、それがふたりって……

恐いよ、自分が…普通に、ドン引き

よく生きてるね、色んな意味で

「セリカ!?なんか遠いぞ!?」

無意識に私はセリくんから距離を取っていた

「セリくんのコト尊敬するよ…」

「そうだな…俺も釣られて冷静になると、自分が恐いわ

アレと香月を相手にしてて生きてる自分が」

って言いながらも嬉しそうだ

やっぱり、この離れた距離は今の私には縮められそうにない

少しして和彦が大丈夫なコトを確認して私達に手招きする

「和彦、ありが…」

私がお礼を口にしようとすると和彦は手を上げて阻止する

すぐにセリくんがアジトの中を指差す

「早くイングヴェィを助けに行こう!」

あっそうか、まだ助けられてないからお礼を言うのはこのタイミングじゃないんだと気付かされる

中に入ってからも残った敵は一瞬で和彦に倒される

もうセリくんと私はただ歩いて着いて行くだけ

いたの?ってくらい自分が気付かない敵も倒れて落ちてくる

そうしてアジトの中を探し回ると、イングヴェィは何故か物置の中に押し込められていた

「イングヴェィ…なんで、物置の中なんかに」

心配してたのに、何故物置なのかが謎すぎて気になって仕方がない

「セリカちゃん…ん~、きっと俺が人扱いされていないだけ?」

アハハとイングヴェィはいつものように笑顔だけど、君に助けられるのは情けないなと言う

私はイングヴェィのなくなった両腕を回復魔法で元に戻す

敵が全滅した今ならもう魔法は使えるみたいだ

「和彦くん、セリカちゃんに力を貸してくれてありがとう

おかげで助かったよ」

「セリカひとりで行かせたら殺されるだけ

セリカが頼むなら何度でも助けてやるけど面倒だから強くなる事だね」

「もっともだね…」

痛い所を突かれたとイングヴェィは苦笑する

ちゃんと私もお礼言わなきゃ、和彦に面倒かけちゃったから何かしなきゃいけないよね

「和彦、本当にありがとう

お礼に何か…」

また私が言いかけると和彦は今度は手を私の口元に当てて黙らせる

「オレは君にお礼を言われたいとか、見返りがほしくてやっているわけじゃない」

えっ…?

「和彦!やっぱり頼りになる!!カッコいい!好き!!」

イングヴェィを助け出してセリくんはそう言って和彦に抱き付く

すぐに離れてイングヴェィの様子を見に行ったけど

「私ってもっとクールだと思ってたけど…意外に素直なのね」

「昔はもっとクールだったさ

クールなセリくんも好きだけど、なんでかな…最近はこっちのセリくんも好き

オレはセリくんが喜んでくれるならそれで十分

頼ってくれるのが嬉しいから」

セリくんは和彦に感謝していないワケじゃない…

和彦はセリくんに何かを求めてるワケじゃない…

「昔はあんなにいじめて泣かしてたくせに?」

「だって可愛いんだ

でも、こうしてセリくんが笑ってくれる方も悪くない」

「変わったよね和彦」

「セリカがどうしてもお礼をしたいって言うなら喜んでその身体を頂こうか?」

「近付かないで!!」

意地悪に笑う和彦から私は大きく距離を取る

なんやかんや言って、和彦とセリくんは恋人同士…

そうか、そうか…

私は物置に立ててあった鏡を見てやっと気付いた

セリくんと私の違い

セリくんは和彦も香月もレイも心から信頼していて、みんなもセリくんを心から大切にして応えてる

だからだ、だからなんだ

私に足りないのは信頼

信頼がないから、誰にも頼れない

セリくんは信頼してない人には頼ったりしないから

私はイングヴェィのコトもレイのコトも良い人だと頭でわかっていても信頼していないんだ

遠慮ばっかりして…

「セリカちゃん、帰ろっか」

イングヴェィが私に声をかけてくれる

心配かけたねって手を握って…

「…うん…なんか、いいなって思って…セリくんのコト」

私もそんな風になれるハズなのに…いつなれるのかなって、もしかしたら死ぬまでなかったらどうしようかなって…不安になる

「セリくんはセリカちゃんだよ

だから絶対大丈夫、いつか君にもその時が来るからね」

「そうだね、そうだよね」

イングヴェィの優しい言葉はいつも私を元気付けてくれる

私も、いつかその時が…

「それより先に、レイと喧嘩中なのを私がなんとかしてあげなきゃ

セリくんって一度こうって決めたら絶対に自分からは折れないし頑固だからね

本当はレイと仲直りしたくてたまらないくせによ」

「セリくんってあぁ見えて厳しいもんね…」

喧嘩の内容が私絡みって言うのが他人事じゃないし…

「レイが悪いのはわかってるケド!!」

「ふふ、セリくん至上主義のレイくんなんて俺のライバルじゃないな」

「まだ若いから、友情と恋愛の両立ができないのよ」

友達いない人が何言ってるの?ってツッコミが来ない

「セリカちゃんはどうするの?」

「私がイングヴェィとレイと一緒に暮らす」

「レイくんばっかり気にかけてもらえてズル…えっ!?えぇ!!!??」

イングヴェィが不利になるコトはよくない

レイとセリくんを仲直りさせる為に私が行動するなら、イングヴェィも一緒にしないと絶対怒るもん

「私が魔王城を空けるワケにはいかない(一応人質だし)

かと言って、レイなしでセリくんをセレンの国に置いておくのは聖剣があっても不安しかない

和彦はいつも傍にいるワケじゃないしね

それじゃあセリくんに香月の傍にいてもらって、私がセレンの所へ行く

私がセリくんの代わりにセレンの国を守るの!」

結夢ちゃんはセリくんについて行くだろうし、ラスティンは私が連れて行く

セリくんは四六時中恋人と一緒にいるのは嫌って言うかもしれないけど、誰のせいで喧嘩してるのかって言えば黙る

まるで他人事のように冷静に考えてしまうが、果たしてそれで上手く行くのか

「イングヴェィは自分の城を不在にするのはやっぱりよくない?」

「それは大丈夫だけれど…毎日レイくんと顔を合わせるのはやだな~嫌いだもん

でも、レイくんとセリカちゃんを2人っきりにするのはもっと嫌だからね」

目的はレイとセリくんを仲直りさせるコト

大丈夫、レイもバカじゃない

きっとセリくんの想いも考えもわかってるハズ

そうして私は暫く、レイとセリくんの仲直りの為に魔王城から離れるコトになった

ちなみにイチゴとユウキはイングヴェィの仲間としてお城で暮らすコトになりました



-続く-

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