第44話『騎士の音楽に心奪われる』セリカ編
金髪に深い夜のように蒼い瞳のその人を見て、もしかして…と思った
そして、レイと名乗った時に私は確信したの
この人が前世の私の恋人だったかもしれないってあの噂の…
セリくんの大親友…
どう接していいかわからなかった
戸惑っているうちに、レイは急にベッドの端にいる私を追い詰める
恐かった…レイも他の男と変わらないんだって絶望したわ
前世の恋人だったかもしれない人、いつもの絶望と違って無意識の信頼を壊される痛みも含まれていた
でも、レイは私に触れる事なく離れてくれた
その時にホッとした私の心は壊される恐さから解放される
それからのレイは本来の自分で私に接してくれた
でも、本来のレイも変わった人だった…
靴も服もない私に買えばいいと言ってお姫様抱っこして町中を歩くって意味わかんないよね!?
恥ずかしいと思わないのか
めっちゃ目立ってるし色んな人に何か言われてるし、私は途中から耳を塞いだ
レイのコトを好きな人たくさんいたから…ファンもいれば本気の人も……
嫉妬の声に申し訳なく思う
別に私はレイのコトが好きとかじゃないし
前世が恋人同士だったのかしらないケド、今は関係ないもん…
レイは…私を好きみたい…?なコトを言ってたケド、それも本気かどうかわからないよ
前世の噂に影響されて私を好きって思い込んでるだけかもしれないし
レイは誰にでも優しくて誰にでもこんなコトするんじゃないかなって思うもん…
それより、私は昨日イングヴェィに酷いコトを言ってしまったから心が痛いの
怒ってないかな…
でも、私帰る勇気がない…私のせいでイングヴェィがあんなコトをするのはイヤだよ……
「この店なんかどうだいセリカ」
考えごとをしていたらいつの間にかレイはオシャレで高そうな靴が並べられているお店の前に私を抱いたまま立っていた
「ここはちょっと…ってか、私お金持ってな」
「あの靴なんかセリカに似合いそうだぞ!」
聞いてない!?
レイは目に止まった靴を私に試着させたいとお店の中に入った
私をお店の中にある椅子に座らせるとレイはさっそくと店員のお姉さんにさっきの靴を用意してほしいと頼んでいる
イングヴェィもだケド…この世界の人って結構強引な人多いな
積極的って言うのかな…
「セリカ待たせたな」
レイは出してもらった靴を手にして私の前にひざまずいて靴を履かせてくれた
「やっぱり、この小さな足にはこれが似合うと思った」
履かせられた靴がぴったりサイズ合ったコトにちょっとした恐怖を感じた
でも、レイが選んだ品のある真っ白な靴は私好みでもある
あまりヒールは高くなく、デザインもゴテゴテじゃなく
シンプルだけれど所々に可愛さと綺麗さがあしらわれていて……悪くない
レイは顔をあげて私に向かって爽やかな笑顔を見せるから、私は戸惑うだけで何も言葉が出なかった
「これ、ください」
勝手に店員のお姉さんを呼んで会計を済ませてしまうレイに私はお金がないと伝えたけれど
「何言ってるんだ
それはオレがセリカにプレゼントするものだぞ
オレが選んだのだからセリカはお金の事を気にしなくていい
もちろんこれから見に行く服もオレが選んだものを着てもらうからな」
爽やかな笑顔に私はやっぱり困ってしまう
「他人に借りを作るなんてヤダ…」
私はレイの好意をツンッとして跳ね返してしまった
他人に良くしてもらうのはとっても嬉しい
でも、私はその相手が男なら何もお返しができないのよ
恋人や好きな相手になら一生懸命にお返しをと尽くしても
そうじゃない相手には何もお返しができない…
勘違いさせたりその気もないのに期待させたりするコトは相手を深く傷付けるコトだもの……
私はイングヴェィにも、お城の人達にも良くしてもらってる
何もお返しできていないのに…
レイにだってきっと何も返せない
それがわかっているから、こういうのは困るの
「セリカ、これが貸し借りと言うのかい?
オレはセリカに何かを貸しているつもりもないし
何かお返しをして貰いたいと思ってやっているわけじゃない
オレが好きでやってるんだ
それでセリカが喜んでくれたり笑ってくれたりするだけで充分なんだからさ」
「その喜んだ姿や笑顔がお返しって言うの?」
私はひねくれているのかもしれない
私が言葉を返せば返すほどレイは仕方のない奴だなと笑ってる
私みたいな人は私から見たら面倒くさいハズなのに、レイのその笑顔は少しの嫌な感じもなく好意だけを表していた…
レイのこの感じ…イングヴェィもいつもそうだった
私は困らせてしまうコトを口走ってしまうのに、イングヴェィはいつも私に優しかった…
「そうじゃない
そう深く考えないで素直に受け取ってくれればいい
好意はセリカが難しく考えているほど、貸し借りでも見返りがほしいと言う事でもないとオレは思うぞ」
自然な流れでレイは私の頭を撫でた
つまり…どういうコトだ?
私は首を傾げながら、次は深く考えずに素直に受け取ってみようと言う心構えで次のお店へと移った
レイが選んだお店はこれまた私の好みなお洋服がたくさんあった
「このお店スゴイ~
どれもこれも私の好みで迷っちゃうくらい」
可愛いお洋服を鏡の前に当てては私のテンションは最高だ
ショッピングは好き(いつも1人だケド…)
可愛いもの綺麗なもの、たくさんあるから
「彼女がほしいと言ったもの全てください」
私があれもこれもそれもと気に入って褒めていると、私の後ろでレイが全部買うと言っていたのを聞いて私は動きを止めた
「何言ってんの!?今着る服なんだから一着でいいよ
無駄遣いはダメ!さっきの全部キャンセルです!!」
服を集めてる店員さんに慌ててキャンセルを申し入れる
「彼女のキャンセルをキャンセルで」
すぐにレイが上書きする…
私はレイにどういうつもりだと睨む
「何故だいセリカ?
君が可愛いと言っては気に入ったと喜んでいただろう
せっかくセリカが喜んでいるものを1つに制限なんてオレには出来ないから全部買えばいい
綺麗で可愛いセリカの笑顔にはそれだけ金を出す価値はある」
この人…どっかで見たコトあると思ったら、よく少女漫画に出てくるヒーローみたいだ
恥ずかしい台詞もペラペラと、完璧なイケメン
現実には絶対いないと思ってたのにいたって感じの
「なんか…気に入らない」
「どうしてだ!?」
私に優しくする男は嫌い
裏があるから
なのに、レイのコトを100%嫌いになれない
セリくんの大親友だから、セリくんがレイを絶対信頼しているなら私もその影響を受けてしまうもの
レイは私をセリくんとして見てない
全然違うのよ
恋愛感情を持たれてしまえば、もう大親友とは違うんだから
セリくんと私は違う
レイは私を好き…
私はその好きに巻き込まれたくない…
「イヤ…私、このまま帰る」
何より1番イヤで気に入らないのは、本当かどうかもわからない騎士と聖女の噂を気にしている私だ
レイが私の前世の恋人だったなんて…
何かよくわからない感情が私の心を掻き乱すみたい
こんな変な気持ちイヤだもん…
恋人って何…好きとか愛してるとか私にはちっともわからないのに
「セリカ…」
私はレイの好意を跳ね退けるように、1人お店を出た
まただ
自分の気分で私が悪いのに、他人を傷付ける
他人を認められない信じられない
男を認めたくない信じたくなかったから
……傷付けられるのが裏切られるのが、完全に崩れて壊れてしまうかもしれない自分の未来を見るのが恐かったから…
「……私は…新しい世界に来ても、自分の弱さから抜け出せないんだね…」
今まで生きていた世界とは違うんだって、何故思えないの
逃げてばかり
お店を出てグルグルと癖のように負の感情を巡らせながら歩いていると
耳にすんなりと入ってくる音楽があった
近付くとだんだんと音も大きくなって私は始めて気付いた
この町の宿を出てから、そこかしこで色々な音楽が流れているコトに
「この曲…好きだな」
たくさんある音楽が四方八方から聴こえてくる
色んな音楽が混ざっているのに、どの音楽も他の音楽を消し去ったりしない不思議な聴こえ方がして素敵
町のあちこちでたくさんの人が様々な楽器を持っては奏でている
その中でも私は気になった音楽が聴こえる方へと足を向けた
音楽は大好き…私の心を明るくしてくれるから
そして、私は気になる音楽を奏でている人達の姿を確認しては近くにあったベンチに座って聴き入るコトにした
私の暗くなっていた心が少しずつ軽くなるような気がする
そういえば、今思い出したケド前にイングヴェィが近くに人間の音楽の町があるって言ってたっけ
もしかしてその音楽の町がココ?
いつか一緒に行こうねって誘われてたの、ここがそうだったら先に来ちゃった…
イングヴェィは楽器は使えないケド、あの人の歌声はとっても素敵だったな
私は町の音楽を聴きながら思い出していた
イングヴェィは歌うと私より声が高くて綺麗でとても澄んでいるの
声が高いと言っても耳障りな痛い感じじゃなくて、心地好くすんなりと耳に入っては心を揺さぶる
男の声でもなく女の声でもなく、人間離れした本当に素敵な声なの
私はイングヴェィのそんな歌声も大好きだったな
なのに…昨日は私が一方的にイングヴェィを突き放しちゃった……
深く傷付けちゃったよね…
でも、私はイングヴェィの傍にいる自信がないの
だから帰れない
レイに帰るって言っちゃったケド、私はドコに帰るの…?
私がいたらイングヴェィはまた…
「セリカ、追いついたぞ」
「レイ…」
音楽を聴いていた私の前に現れたレイは私が突き放したにも関わらず変わらない爽やかな笑顔だった
何よ…私が言ったコトわかってないの
「邪魔…しないで、私は今音楽を楽しんでるんだから」
突き放すようなコトを言っても
「音楽?」
「この素敵な音達
あそこで楽器使ってる人達いるでしょ
バイオリンやフルートやトランペットやピアノや色々」
キツイ口調や態度を取ってもレイは変わらなかった
それは私が思ってるだけでレイからすればキツくもなんともないのかもしれない
私は音楽は大好きだケド、歌も楽器もダメで
楽器もそんなに詳しくなかった
見たコトはあるケド、名前を知らない楽器もあれば始めて見る楽器もある
「へぇ、この綺麗な音達はあの楽器って道具から聴こえるのかい」
レイは始めて見ると言った感じで私が指さした方を見ている
「オレのいた世界は音楽と言うものがなかったんだ
この世界に来てから、たまに耳にした事はあったが…」
マジで言ってるのか…音楽がなかったなんて
音楽のない世界とか私は生きていけないよ
「セリカはあれが好きなのか」
「えっ?」
レイはそう言って、私が聴いていた音楽の演奏を終えたその人達に近付いていく
「レイ?」
レイはバイオリンを持っている女の人に
「それを少し借りる事は出来るだろうか?」
と聞いている
女の人は有名なレイのコトを知っていて好意を持っていたのか顔を真っ赤にしてバイオリンを渡していた
まさか…レイは音楽を知らないのにバイオリンを弾く気なんじゃ……
楽器はそんなに簡単じゃないよ!?
私はド素人のレイが不快な音を出すのだろうと予想し耳を塞ぐ準備をした
女の人から軽くバイオリンのコトを教えてもらうとレイはバイオリンを構えて音を鳴らす
「……………。」
数分はレイも試しにと色んな音を適当に出してみるだけで
まぁ…ド素人なのに不快な音をさせないのはスゴイかも
真剣な表情で自分の出した音を聴いて、ある程度バイオリンの音を掴んだのかレイは笑う
すると、レイはド素人とは思えないくらいバイオリンの綺麗な音色を弾きはじめた
「ウソ…」
私は思わず、信じられないと目と耳を疑う
さっきそこで弾いていた人達とは別の曲
始めて聴く曲、明るくて元気になる曲調だけれどドコか切なく愛しさが伝わってくるの
レイは4分ほどの曲を見事弾き終えて周りから拍手喝采を受けている
…ハッ!?
私は拍手喝采ではじめて我に返る
みんながみんな私を含めて、レイの音楽に引き込まれていたんだ
音楽のなかった世界にいたのに、なんでそんなにあっさりとバイオリンを弾けるのか
素直にスゴイと思っては私は目が反らせない
レイは音楽が気に入ったのか、今度はギターを持ったお兄さんに貸してほしいと頼んでいる
さっきの素晴らしいバイオリンの演奏を聴いていたお兄さんは是非!と言って渡しているケド…
ふ、ふん…レイってば、調子に乗ってるだけよ
バイオリンの才能があっただけで、ギターはまた違うんだからね
と私ひとりがひねくれた心構えをしていた
軽くギターのお兄さんから教わって、数分ほど適当に音を試し終えたレイは
バイオリンと同じくらい素晴らしい弾きを見せた
し、信じられない…
レイの音楽に感動して泣いてる人までいるし
さらに近くの楽器屋から店主が色んな楽器を持ってレイに使ってほしいとまで言ってるよ…
その中でレイはフルートを選んではまた教えてもらっている
ふーん、フルートねぇ
今度はさすがにダメでしょ
レイは弦楽器の才能があっただけで…
私はまたひねくれていると、レイのフルートの音色が聴こえてくる
やはり素晴らしかった…
周りの女の子達はレイの音に次々と心を奪われては倒れてしまう人までいた
おかしいでしょ!?なんでそんなスゴイの!?
イケメンはなんでもできる
はいそうですか
別の意味で私も倒れそうになるよそんなの
「セリカ!こっち来いよ」
遠く離れた所で聴いていた私をレイは爽やかな笑顔で呼ぶ
他人のフリをした
「レイ様、勇者様とこの町にいらしていたのね」
「ほらほら勇者様、レイ様がお呼びですよ」
周りの人達から押され引っ張られ私はレイの傍まで流されてしまう
なんで…
私が傍に来るとレイはピアノの前に座った
1番近くで私に聴いてほしいとレイの近くの椅子に私は座らされる
周りからの注目度はハンパなかった
何コレ…
「今度はピアノ…
今までの楽器が上手く扱えたからって調子乗ってたら失敗して恥かいちゃうよ……いいの?」
「ははは、心配してくれるのかい」
心配してるワケじゃねぇのに!?
私の生意気な口も態度もレイには通じなかった
いや…でもちょっと納得した
そんなレイだからこそあの私と同じセリくんの大親友になれるんだね
レイはどの楽器でも同じ曲を弾いていた
私ははじめて聴く曲だったし、レイは音楽のない世界にいたって言ってたからレイが曲を知ってるとは思えない
じゃあレイの奏でるものって…
私がピアノに向き合うレイの背中を見ていると、シーンと静まり返った中でピアノの音が響き始める
やっぱり同じ曲…
だんだんと明るくなっていく流れに、私の心が熱くなって高鳴るのを感じる
なんで…おかしいな
レイの音楽に引き込まれてしまう
ド素人のくせにってひねくれて聴いていた心を消し去って、素直にレイの素晴らしい音が染み込んでいく
強く、強く…レイの気持ちが心が、伝わる
この曲は…レイが作ったものだったんだって言われなくてもわかって
私は演奏が終わる頃には涙を流すくらい感動させられていた
この人は音楽の天才で、レイの心そのものだった
いつの間にか最初にいた人達だけじゃなく町中からレイの演奏に集まって拍手は今までで1番大きかった
「セリカ」
拍手の嵐の中でレイはすぐに私に振り向いては座る私の前に来て爽やかな笑みで見下ろす
私はたくさんの人を感動させ認めているレイの音にひねくれて聴いていたコトに恥ずかしく思っては何も言えない
どんな言葉や行動より、レイの心は音楽を通じて本気を伝えてくれたの
私は戸惑っているのか…
「音楽は知らなかったし楽器を触ったのも始めてだった
それでも、セリカの事を考えていたら勝手に音になって自然と曲になったんだ」
レイは私が流した涙に気付いて指で拭ってくれる
「…感想なんて聞かなくてもいいか
セリカにちゃんと伝わったみたいだからさ」
俯いていた私は顔を上げて
「伝わる…?何が伝わるの……」
やっぱりひねくれたコトを言ってしまう
感動したくせにね
「オレがセリカを好きって事」
「変だよそんなの…
会ったばっかりで好きなんて
それに私、レイを突き放すようなコトばっかり言ったりしたよ
なんで嫌いにならないの」
私を嫌いになるように…したのに……
「会ったばかりでセリカに好きになってもらえるなんてオレもおかしな事だと思う
セリカに突き放される事を言われたりされたとしても、それはセリカがオレを好きじゃないから当たり前だ」
生意気ってレイが言うのは変よ
私のほうがレイより年上なんだもん
「何もしていないのに好きになってもらえるとは思わない
だからセリカがどんなにオレを突き放して傷付いても
オレは諦めたりしない」
「それは…レイも同じ
私は何もしていないのに、レイは私が好きなんておかしいよ」
「一目見て好きだと思ったんだ
好きのきっかけは人それぞれだろう」
レイは何当たり前なコトを言ってるんだと笑う
それって一目惚れってコト?
イングヴェィも一目惚れって言ってたケド
一目惚れ率高すぎないか…
レイはセリくんの大親友でもあり、私への想いが本物だってのも音楽を通じてわかった…ケド
私は恐いよ
「私に好きな人がいるって言ったら?」
「奪う」
恐すぎなんだケド…
イングヴェィは「殺す」って言うからまだマシだった
「セリカには好きな男がいるのかい?」
「………わからない」
好きがよくわからない
私は正直に答えてしまって
「そうか!」
とレイはよかったと爽やかに笑う
あっなんだか面倒くさいコトになりそうな予感がした私は後悔した
「そうだ、さっきの店の奥にあったセリカに似合う服を買っておいたぞ」
店の奥?は見てないかも
って、買わなくていいって言ったのに
少し大きめの箱からレイは買ったと言う服を取り出して私の前に差し出した
「着てみてくれないか!?」
レイの差し出した服を見て私だけが時間を止めて
周りにいた町の人達が声を上げた
「きゃー!?プロポーズよ!?」
「いや~レイ様と結婚なんて羨ましすぎよ~~」
「あれ勇者様じゃなかったの!?えっ聖女様!?
何それじゃあの噂は本当だったの!?」
「美男美女でお似合いね」
「プロポーズがサプライズすぎる!!」
レイが差し出した私に似合う服とは真っ白なウェディングドレスだった
どういうコトなの!?
まだ私は何も言ってないのに周りの空気が祝福モードになっている
ちょっと待ってよ!?おかしいよね!?
「レイ何考えてんの!?」
「どうして皆こんなに騒いでいるんだ?」
「レイがウェディングドレスなんて持ってくるからだよ!?」
「ウェディングドレス?聞いた事があるようなないような…」
すっとぼけてどさくさに紛れて本気なのか
マジでウェディングドレスを知らないのか…
「よくわからないが、絶対セリカに似合うと思うんだが…」
なかなか受け取らない私にレイは何故そこまで拒むんだと首を傾げている
「し、知らないもん!」
私はみんなから注目されて恥ずかしくて逃げるようにレイから離れた
「何が気に入らないと言うのだろう?
待ってくれセリカ」
待ったらこの町公認の夫婦にさせられそうだから待たないです
音楽でレイの心が本当だって知って嫌いじゃなくなったし、ひねくれて見るのもやめるコトにした
だけど、レイの気持ちには困惑してしまうの
誰かに好きって思われるコトって…どうしたらいいのかわからない
自分が相手に応えられないとなると余計に……
-続く-2015/06/13
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