第27話『コイツらがおかしいのかこの世界がおかしいのか、それと天使にセクハラされる』セリ編

何日かかけて、セレンと言う女神がいる国へとやってきた

何故か心の中にあった強い憎しみや苦しみや悲しみもいつの間にか和らいでしまっていて

今思えば、あれはなんだんだろうって首を傾げるコトしかない

これもいつかそのうちわかるような気もするが…

「セレンって女神がいるのはこの国の中心にある神殿らしい

まだ少し歩かないといけないな

少し休むかい?」

レイが城下町にいる適当な人に声をかけて情報を収集してくれる

そうだな~結構疲れたし、何より俺はこの世界に来てからまともなベッドで眠ったコトがない

風呂はほぼ冷たい川とか運が良ければ天然温泉

「今日こそ!!フワフカのベッドとあったかいお風呂に入りたい!!」

こんな大きな城下町なんだ

宿は期待していいんだよな!?

「そうだな

オレもたまには人の住む町で気を休めたい」

レイは爽やかに笑うとこの城下町で1番高級な宿屋を調べてくれた

「は~スゲーな

高級ホテルじゃんもうココ」

いくら城下町で1番高い宿屋と言っても、車や飛行機もない世界だ

俺はあんまり期待していなかった

だけど、目の前の高い建物は金持ちしか泊まれないような超高級ホテル

俺は前の世界では貧乏だったし超庶民だったぜ…

こんなホテルには縁がないようなくらいな

でも、ビビッたりしねぇもんね

こういう所はアイツがよく食事に連れてきてくれたり泊まったりしてたから、慣れてないケド慣れてる…たぶん

「あっ…俺、お金ないんだケド」

「大丈夫だセリ

オレがたくさん持ってるからな」

そう言ってレイは財布の中にあるたくさんの金貨を見せてくれた

おぉ!!俺のいた世界と違う通貨だから価値がわからんがなんかめっちゃ金持ちってだけはわかった!!!

期待しながらレイと俺は超高級ホテルの中へと入った

「申し訳ございませんが…」

フロントのお兄さんが深々と頭を下げる

俺の笑顔は凍りついた

なんでって…レイのいた世界のお金はこの世界のお金と違うからなんの価値もなく使えなかった………

期待しすぎて、ワクワクしすぎて、当たり前のコトに気付かなかったよ!!?

ってコトは久しぶりに美味しい料理を食べたかったっていう期待も一緒にぶち壊しか…

レイの獣や魚を狩って料理してくれたのも、男の手料理みたいで美味かったケドさ!?

たまにはハンバーグとかオムレツとかグラタンとかパンケーキとかカレーライスとか…食べたかった……ガクッ…

「す…すまないセリ……」

レイが申し訳なさそうに苦笑しながら落ち込む俺の肩に手を置く

「いや…レイは悪くないから気にすんな

まぁつまり俺達は一文無しの貧乏人ってコトか」

「今から何か仕事がないか探して金を作ってくるからセリは適当に町でも見て回って時間を潰しておいてくれ」

「えっあっちょっと!レイ!?」

レイはあまりの俺の落ち込みっぷりに気を使って止めるのも聞かずに行ってしまった

仕事をするって…

俺も探してみるか、体力的なコトや力仕事とかはできないケド俺にだって何かできるハズだろ

今日の超高級ホテルの美味しいお食事とあったかいお風呂とフカフカベッドのために!!!

そう思って俺も仕事を探しに行こうとしたら

「やぁやぁやぁ勇者様、お迎えに来ましたよ~~~!!」

空から天使の輪っかと天使の翼と天使っぽい服を着たクルクルした金髪の少年が神々しく舞い降りてくる

まだ死んでないケド俺!?えっ死んでないよな!?

実はさっきの間に俺は気付かずに人ひとりは殺せるレベルの隕石が直撃したとかないよな!!!!????

「さっきの男は勇者様の彼氏ですかい?」

「レイを俺の彼氏って言うのが挨拶みたいになってきてるな

違うから」

天使は俺が女神セレンの国に入った時に来たコトに気付いたから迎えにきたと言うのだ

「せっかく勇者様がいらしてくださったのに、人手不足でお迎えが盛大にできなくて申し訳ないで~す」

「なんだよ盛大にって、パレードでもする気だったのか!?」

「落ち着いたら是非やりましょう!!勇者様パレード!!

天使も人間もみ~んな、貴方様が来るのを楽しみにしていたんですから!!」

勇者勇者言われてもな

今までのコトからして勇者ってのは俺のコトなんだってのはわかってきたケド、自覚なんてなんもないぜ

勇者の力って正直何

勇者の剣もなければ、回復魔法しか使えない

レイに守ってもらってばっかの俺が勇者だなんて笑える話だな

「申し遅れました!

僕の名前は上原スターライトイルージョンネクストです!!!」

「…………えっゴメンなんて?上原のあと聞いてなかった」

天使の少年はポーズをつけながら自分の名前を言ったが、耳が急に閉店して聞こえてねぇわ

「上原は苗字」

俺と同じ日本人かよ!?

見た目はめちゃくちゃ西洋系のイケメン少年なのに

あっ今気付いたケド

レイもロックもローズも香月もキルラも

この城下町の人々もだが、みんな西洋系の見た目で俺みたいな東洋系がいないな…珍しいのかな

「名前はスターライトイルージョンネクストですってば」

「それ名前続くんかよ!?」

立派なキラキラネームだな

名付けた親の顔が見てみたいわ

「名前続きます

僕の名付け親はセレン様です~」

………これから会いに行く奴かよぉ……急に会いたくなくなったじゃねぇか

女神ですら今時のゆとりちゃんかよぉ…俺もゆとりだった

しかもマジで名前続くみたいだし

「ささ勇者様、彼氏も連れ戻してこちらでセレン様の神殿まで行きましょう」

「彼氏じゃなくてレイって名前の俺の大親友なんだケド」

ちょっと待て、ネクストはにこやかな笑顔でこちらでときらびやかに光輝く馬車を指さす

光り輝いていて一瞬何かと思ったら、ただの痛車だった

可愛い萌えキャラ(魔法少女っぽい)で馬車を飾っている

馬なんてこのキャラのコスプレさせられてんぞ

俺の知ってる馬車じゃねぇーぞこれ!!!!!?????

「今、天使の間でアニメが大ブームなんです

こちらは魔法少女シャルロたんって小学生の女の子なんですけどね~!!」

ッ誰か!?誰か!?誰かロックを呼んでこい!!

じゃなかった、今すぐ病院がこい!!

今すぐ治療してくれないと、この恥ずかしい馬車に俺が乗るコトになるから!!

すぐに彼氏も連れてきますから先にお乗りくださいとネクストに俺は無理矢理馬車に押し込められそうになる

「アホか!!!この馬車の中に誰が乗ってるかわからないような感じなら我慢できるが、おもいっきりこの窓から見えるだろ!!???

おい!周りを見てみろ!!!

すでに町の人達が俺達を変な目で見てはキモイとか痛いとかないわ~ってドン引きしてるのがオマエには聞こえねぇのかよ!?」

押し込められそうになるのを必死に抵抗する

ネクストは笑って

「みなさんこの素敵な馬車に乗れる勇者様を羨ましがってるんですね」

「ウソだろ!?現実を見ろ!逃避するんじゃねぇ!!」

あっ一部の人は写真まで撮って本当に羨ましがってる…

バカ言うなよ

俺が勇者って言うならこれから有名になるとするなら、痛車に乗るってのは大きな歴史として残るんだぞ

ネクストを振り切って俺はレイを捜しに走ったって言うか逃げた

「レイ~~~!!」

大きな掲示板の前でレイはすぐに見つかる

掲示板にはたくさんの紙が貼られていて、文字は読めるものもあればほとんど読めないものばかりだった

読めるものから見ると、この大きな掲示板が仕事に関わるものみたいだな

「ん?どうしたんだセリ、そんなに慌てて」

「変な天使が俺を辱めるんだ!!」

俺は簡単にさっきのコトをレイに説明すると

「勇者様~~~!」

うわっ来た

ネクストが追いついてきた

レイの後ろに隠れてやり過ごそうかと思ったがすぐに見つかる

「見つけましたよ!

嫌々と駄々をこねられても困ります~!

僕はセレン様のご命令で勇者様をお連れしなければいけないので」

じゃああんな馬車でくんなよ!?

「きっと勇者様は不安なんです

勇者様の彼氏もご一緒にいらしてくださればきっと大丈夫なはずですよね」

あの馬車とネクストの名前で女神セレンに不安しかねぇよ

だからレイは彼氏じゃねぇし

「あんたが女神セレンの寄越した迎えの天使か

女神セレンの所へ行く予定だったが、馬車に乗るのをセリが嫌がっている」

「えぇ!?何故ですか勇者様!?」

何故だろうな

「そうだな

馬車が嫌なら馬を貸してくれないか?」

馬車がイヤなんじゃなくて痛車がイヤなだけだ

レイが馬をと言うと天使は自慢の痛車に乗ってもらえないのが不服な顔をしながらも、馬車についていた黒い馬を一頭連れてきた

もちろん魔法少女なんとかたんのコスプレをさせられていたままだったから俺は黒い馬からそのコスプレをやめさせてやった

「なんて事を!?」

「馬がイヤがってるだろ!?」

黒い馬は泣きそうな顔をしていたが、俺がやめさせてやると顔を擦り寄せて喜んでいる

「変な主人だとオマエも大変だな

イヤなコトをされたら蹴ったり踏み付けたりしてもいいんだぞ

天使ならそれくらいで死んだりしないだろうし」

俺が黒い馬の頭を撫でてやると嬉しそうに頷く

「酷いです勇者様!!」

「動物のイヤがるコトをすんな」

「え~?喜んでますよ?」

ダメだコイツ

「俺は馬に乗れないんだケド、レイは乗れるか?」

「もちろんだ」

俺が言いたいコトがもうわかるレイは俺を黒い馬に乗せてから自分もその後ろに乗る

思っていたより目線が高くなるし、馬に乗るってなんかわからんケド楽しい!!

「本当はこの町でゆっくりしたかったケド、迎えが来たなら急がないとな

ネクスト、女神セレンの神殿まで案内ヨロシク」

「はい!馬の足なら半日あれば神殿に着きます

僕はあの馬車を連れながら案内しますね」

「マジかよ!?結局神殿まであの痛車と一緒なんか!!!」

「大切なお客様専用の馬車です

置いていけません」

客専用!?嫌がらせだろ!?やめてやれ!!

それは個人で楽しむだけにしろよ!!!

「半日か」

レイは手綱を握り、ネクストの後を着いていく

「喋ってる間に着きそうだな」

たぶん途中で俺は寝るケド、なんかネクスト相手に無駄に時間使って疲れたし…

そうして俺達は半日をかけて女神セレンの神殿へと到着した



神殿に近付くに連れて神聖な空気が強く変わってくるのを感じていた

神殿の中になると、その空気は綺麗に澄み渡り神聖さが自分の醜い心の部分まで見透かされるような気がして

俺には…ちょっと居心地が悪かった

見透かされたくない俺はそれを跳ね退けるように意志を強くする

「まぁまぁ勇者セリ様、ようこそいらっしゃいましたわ!!!」

謁見の間に案内されると誰もがイメージするような感じの女神が俺達を出迎えた

「私が女神セレン、貴方様を心からお待ちしておりましたの」

やっぱりこの人が女神セレンか

イングヴェィと話してた時は女神と聞いて楽しみにしていたが、さっきのコトがあって何も感想はない

まぁ神々しくて慈愛に溢れてそうな女神だしな

あぁ1つ言うとするなら、女神セレンはレイより遥かに背が高かった

人間女性の平均身長の1.5倍くらいか

逆に天使ネクストは人間男性の平均身長の半分くらいだった

空飛んでたから目線は俺達より高いケド

「こちらの方は勇者様の彼氏のレイ様でございますね!!」

「もういいよそれ!?なんか挨拶みたいになっちゃってるから!!レイが俺の彼氏って言うの!!」

レイを見てセレンは俺の彼氏と言うコトに興味津々の様子だ

オマエ…まさか腐ってんじゃねぇだろうな……

「レイ様、後でセリ様の彼氏として詳しくそのお話についてお聞かせくださいましね…うふふふ」

こっそりとレイに耳打ちしてるのが聞こえてる

やっぱ腐ってた

レイはなんのコトかさっぱりって顔で苦笑している

「で、セレンさんが俺を必要としてるって聞いたケド」

「はい、しかしセリ様もレイ様も長旅でお疲れでしょう

今夜はもうお休みになられて、また明日詳しいお話を致しますわ」

「あっそう言えばそうだな

もう夜遅いし、言われてスゲー疲れが出てきた」

「お2人のお部屋はすでに用意させておりまして」

「別々の部屋で」

セレンのなんとも言えない嬉しそうな顔で喋るから別々でと言うとそれが崩れた

「駄目でございますわ!!

お部屋はもう一室しかありませんの!!」

何恐い!?

なんか覗き穴とかありそうだもん

「覗き穴とか決してありませんから!!

私達の期待を裏切らないでくださいまし!!」

あんのかよ!?

私達ってオマエの他にもいるのか!?

「何で俺がオマエ達の期待に応えなきゃならねんだよ!?

別にレイと一緒の部屋でもいいケド、アンタ達が考えてるようなコトは絶対起こらないからな!!」

「えぇ~?そんな~?本当でございまして~?」

期待っていうか、そうなるコトを願うかのような顔をする

コイツ本当に女神かよ…

とりあえず、長旅より今日1日でめちゃくちゃ疲れた俺は早く部屋に案内してくれと言った

「お風呂はこちらに、クローゼットの中は全てセリ様達の為に用意させたものなのでご自由にお着替えくださいましな

お食事も後で天使が運んできますので

……では、ごゆっくり」

部屋の中をだいたい説明した後、セレンはおほほほほと意味深に笑って部屋のドアを閉めた

俺は部屋の中で最初に気付いたのがベッドが1つしかないコト

アイツめ…

次にクローゼットの中を確認すると、まぁまともだった

レイと俺に似合う服がたくさんある

センスは高いんじゃんちょっと見直し………

奥のほうを見ると、メイド服やチャイナ服やセーラー服やなんかそんなのが何着かある

コスプレ以外にも女物の服が…

サイズからして俺用みたいだが……着ろと…?

まともじゃねぇなあの女!?

俺の女神像がどんどん崩れていく

意地でもレイを俺の彼氏にしたいんだな

ねぇからそんなの!!

「なっレイ!!」

「いきなりどうしたんだい?」

レイは俺の大親友なんだ!絶対に俺を裏切ったりしない…

「食事の前に先に風呂でも入るかセリ

温かい風呂を楽しみにしていただろう」

「一緒には入らないからな!!」

「一緒にとは言ってないぞ…」

ハッ!?あの女神のせいで過剰に反応してしまった

くそ…温泉とかで一緒に入ったりするし、別におかしいコトじゃないのに

あの女のせいで普通のコトが異常だと思ってしまう

「うん…じゃあ、先に風呂入るよ」

この言葉さえも!?俺は洗脳されてる!?

覗き穴がドコにあるかわからんが、そこからセレンが見ていてニヤニヤしてるのが目に浮かぶ

でも、俺はそんなコトはすぐにコロッと忘れた

だってバブルバスだったんだもん!!!

モコモコの真っ白な泡に包まれながらあったかいミルク色のお湯に浸かる

はぁ~…幸せだ…

バブルバスははじめてじゃないが、何回入っても気持ちいい

久しぶりのあったかいお風呂に幸せを感じている2分後、ノックが聞こえたかと思うといきなり風呂のドアが開いてメイド服を着た2人の女性天使が入ってきた

「わぁああああ!!!??何!?何!?普通に恐い!!!」

急に女の人が入ってきて俺は恥ずかしくてさらにバスタブに身を沈める

入っていいなんて言ってないぞ!?

「落ち着いてくださいセリ様」

落ち着けるか!!

逆だったら痴漢ってひっぱたくだろ!?

「私達はセリ様のお身体を洗いにきました」

「そんなサービス頼んでないよ

自分の身体くらい自分で洗えるから、出ていっ…」

俺の話が通じてないのか天使2人は俺の両腕を片方ずつ手に取った

「きゃ~肌綺麗!白い!!」

「すべすべさらさらつやつや~!

どうしたらこんなに綺麗になるの~!」

聞けよ!?何盛り上がってんの!?

「この肌にタオルやスポンジはいらないわね」

「だめだめ、タオルやスポンジじゃ肌を傷付けるわ」

確かに俺も自分の肌が弱いってわかってるからタオルやスポンジは使わない

だからって、天使2人は自分の手に石鹸をつけて俺の身体を腕から洗いはじめた

自分達の服が濡れるコトも気にせず丁寧に優しく

……………………悪くねぇなこれ

2人とも可愛いし胸大きいし、女に身体を触られるって…悪くないな!?

「もうこの肌に触ってる私の方が気持ちいいわ」

「ずっと触っていたいわ」

悦ってる2人がちょっと恐い

そんなこんなで、俺の風呂は2時間はかかり普通にのぼせた


気付いた時はベッドの上で、部屋は薄暗く深夜になっている

テーブルの上には冷めた料理が残ってて、ちょっと残念な気分だ

久しぶりのあったかい料理が…

「まったく…ここにはまともな奴がいないのかよ」

別に俺をのぼせさせたあの天使達に怒りがあるワケじゃないが呆れだな

俺は近くの椅子の上にあった着替えを手に取る

着替えは…普通のパジャマか…

ここの奴らならネグリジェとか持ってきそうだったから

なんでも疑うぞ今の俺は!?

肌を出すと少し寒い

だから俺はベッドの中でブランケットに包まりながら着替えをしようかと思っていたら

「そういえば、レイは…?」

いないコトに気付く

レイがいないと…なんか不安になる

1人だと…恐い

とくに夜は…イヤなコトをたくさん思い出すから

それは毎日毎日忘れるコトはなくて、憎しみ苦しみ悲しみを増すものだった

不安が強くなってくると、風呂に繋がるドアが開いた

「セリ、気が付いたんだな」

「レイ!!」

そっか…風呂に入ってたんだな

レイがいるとわかった俺は不安が弱くなり安定する

「あの天使の女の子達が謝っていたぞ

次からは気をつけると」

次もあんのかよ…

安心すると急に腹が減ってきて鳴る

「ハハハ、ちょっと冷めたが夕食にしようか」

着替えたレイは髪がまだ濡れたままなのに俺に先に食べようと言う

「2人分の料理が残ってるってコトはレイは食べずに待っててくれたのか?

先に食べてくれてよかったのに」

「1人で食事するのは寂しいと思わないかい

それにいつものようにセリの残した分はオレが食べないといけないからな」

「うん…」

いつもの爽やかなレイの笑顔に俺は安心して微笑み返す

レイはいつも俺と一緒にいてくれる

それは俺が不安になるコトがないように…

気付いているのかいないのか

わかっているのかわかっていないのか

知らないけれど…

もし、俺にはレイがいなくて俺1人でいたら

不安と恐さ

憎しみと苦しみと悲しみに押し潰されて、こうして生きていなかったかもしれない

誰かがいなかったら…俺は俺でなくなるような、そんな気さえする

朝になったら、セレンから話を聞く世界を救う勇者なんて…俺には似合わないのに……



-続く-2015/03/29

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