2-5
◆◆◆
カンバスに絵の具を垂らしたような、晴れ晴れとした真っ青な空の下。地平線の彼方まで広がる草原が、時折吹く
少年が天を仰ぐ隣で、
「ねぇ、リンドウ。あたしのこと、好き?」
「…………」
「リンドウ、聞いてる?」
「ん?」
「もうっ。ちゃんと聞いてよね!」
聞こえてるよ、と
困ったときに
「あたしたち、大人になったら結婚しようね」
これは時雨の口癖で、俺たち二人の誓いのようなものだった。
当時六歳だった俺は家柄のことはあまりわからなかったが、
それなのに、大好きでたまらなかったのに、時雨は死んだ。いや、正確には──俺が殺したんだ。
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