第四章 皇国の主婦

第15話 プロローグ 永遠の日常

 今日は天気がいい。

 お日様がよく照っていて、洗濯日和だ。

 洗濯ものを全部干したら、乾くのを待ちながら部屋の掃除の続きを始める。

 新しいお家のフローリングに、モップをかける。

 掃除機もいいけど、モップをかけた床は素足で歩いた時の足触りが気持ちいいのだ。

 階段も廊下も、ごしごし、しっかりかける。


 主婦はなかなかの重労働だ。

 今日は買い物にも行かなくていいし、終わったら一休みして、ゲームの続きをしよう。


 ゆいは掃除を終え、エプロンをとって椅子に掛けると、ソファに座った。


 カチューシャとバイザーが合体したような機械を頭につけ、ゆっくりと目をつぶる。

 あれ?

 何かまた、大事なことを忘れている気がする。

 いつもゲームを始めるときはこんな感じだ。

 何だったっけ。

 何だかとても大事なこと。忘れてはいけないことなのに。


 そう思いながら、眠りに落ちるように旅立っていく。

 そしてまた、終わりのない夢に似たあの世界で眼を開けるのだ。

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