終章 爪紅の調べ

   波よ 伝えておくれ

   幾度生まれ変わろうとも 君を愛すと

   この爪紅がその証

   風と海に 音色を響かせよ




 瑠玻羅王国に伝わる歌がある。


 この歌をただの伝説と一蹴できないのは、第三代瑠玻羅王朝の治世にある。

 第三代瑠玻羅王の夫の薬指は、爪紅の指だったと伝えられている。

 その指から紡がれる三線の音色は、女王もたいそう好んだという。




 第一部 瑠玻羅の伝説〈完〉

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