魔界大戦争

山川里木

プロローグ 転生






 目が覚めると眼前には禍々しい雰囲気の樹海が広がる。木々は黒々しく、見たことも無い様な植物が生えている。その殆どと言っていいほどに棘が生え、今にも近づく者全てを攻撃しそうな程だ。

 何故こんな場所にいるのか。そもそも此処は日本なんだろうか?辺りを見回すが全て同じような景色だった。

 とりあえず立ち上がり樹海の出口を探す。誰かのドッキリにしては手が込みすぎている。ここまでするだろうか?

 そこで一抹の不安が頭をよぎる。

 もしかして誰かに拉致されたのか?じゃなきゃこんな所には居ないはずだ。きっと誰かに拉致され此処に捨てられたんだ。

 そんな事を考えるがありえないと首を振る。

 だってそもそも誰が自分を拉致するのだろうか。そもそも息の根も止めずにこんな所に捨てていくだろうか。

 深いため息と共に、やはりドッキリだろうなと自己完結する。

 そんな時何処からともなく声が聞こえてきた。やはりこれはドッキリで、きっとドッキリ大成功の掛け声をかけているのだろう。そう思い、声の方へとかけていく。

 しかし、そこには禍々しい者が立っていた。今にもこちらを襲って来るのではないか、まるで魔物だ。

 ヒィィという情けない声を上げながら倒れ込んでしまう。逃げなければ。それだけが頭をよぎる。

 そんな時魔物がこちらに声を掛けてきた。


「アガレス様!何をしておられるのですか?ルキフグス様がお呼びですよ。」


 何を言っているのだろうか?アガレス?僕が?あの悪魔の?そんな馬鹿な。

 そう思い自分の腕を見てみると、そこには黒色のおよそ人間とは呼べるようなものでは無いもが写った。


 あぁ、よくわからないけど泣きそうだ。

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魔界大戦争 山川里木 @yamakawa_satoki

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