ピアニッシモレポート①「コルド帝国の現状」

 こんにちは情報機関のリーダー、ダークエルフのピアニッシモです。

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このPレポートでは、毎回ゴーガ様のためにこの世界の情報をわかりやすく説明しますね。

 今日は、私たちの大陸のすぐ南にあるコルド帝国についてです。

 

 コルド帝国は人が住むのに厳しい土地です。国土の大半は雪と氷におおわれていて作物は育ちづらく、寒さをしのぐために常に火力を必要としてます。

 だから、海を隔てた隣国のデザス王国から常に油を輸入してます。

 

 この油の輸入は帝国の財政を圧迫してます。なんだかんだ油が一番効率よく熱を出せるので、これがないとコルドの人たちはすぐ凍死してしまうのです。

 だから、かなり高くても買わないわけにはいかないの。

 

 それから、現皇帝であるコルド2世の妻であるカトリーナ女王は最悪の女王と呼ばれているわ。

 国民のことなどお構いなしに高価な装飾品などを買い求め、パーティーを繰り返してます。

 贅沢が服を着て歩いてるとかいわれてます。そんな感じで、帝国の財政は火の車!

 

 コルド帝国は強力な軍事力を背景に植、民地から利益を巻き上げることで経済基盤としていたのですが…。

 隣国シュタントに攻め込んでは撤退を繰り返してるうちに、いつの間にか軍も弱体化してしまいました。

 そしたら植民地がコルド帝国をなめるようになってしまって、植民地からの収益も激減してしまいました。

 

 支出が増え収入が減った帝国は市民に重税を課します。

 

 まぁこういうのは人間界でよくみられる光景なのです


 その結果、作ったわずかな作物とか、衣類とかそういうのはほとんど国に搾取されて、国民は一日一度の食事にもありつけない人が増えて餓死者が出るようになりました。

 さらに、暖をとる油も手に入らず凍死する国民はここ1年で5万人を超えてしまいました。

 総国民100万のうち、ここ一年で凍死者、餓死者合わせて10万人近くが命を落とすという、いまはまさに阿鼻叫喚の地獄なのです。

 

 コルド皇帝は悪いやつですね、ピアニッシモは許せません!


 もちろん国民は一揆をおこして立ち向かったりもしてましたが、しかし帝国の軍の強さは貧してもなお健在で、すべてあっさりと鎮圧されてしまいました。


 そんな中で、勇者コロナは常に国民から、皇帝を倒し、新皇帝となることを切望されているのです。

 

 40歳である勇者コロナは、30歳の時から皇帝に我々を討伐するための部隊の編制をし、自らそれを率いることを提言していたんですが‥。

 かたくなに皇帝はこれを許しませんでした。

 

「魔王を倒すより先にシュタントを落とせ」と言って皇帝ははばかりませんでした。


 ただし、シュタント攻略は勇者道に反すると言って、勇者コロナはコルド軍の最も強い部隊の隊長でありながら一回もシュタント侵攻には参加しなかったんです。

 

 とうとう皇帝の逆鱗に触れた勇者は、軍の第1部隊長の職を外され、あげく幽閉されてしまいました。まぁ、軍人なんだから皇帝の命に逆らったらいけませんよね。


以上が、コルド帝国の現状です。

今回のクーデター成立に役立つといいですが…。


またお会いしましょう。

ピアニッシモでした。


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