第3話
夕食をすませてお風呂に入ったら、後は寝るだけだ。
明日の朝は早いらしい。
いつもならこんな時間に寝られたものではないが、疲れていた梶谷の身体は、すぐに夢の世界へと入っていった。
次の日、夏だというのにまだ日が昇りきる前に起こされた。
朝食をとり、畑についた頃にようやく辺りが明るくなってきた。
この日は昼まで農作業をして、昼食をとって少し休んでから家路に着くことになっていた。
梶谷の家までけっこうな時間がかかるため、遅くまではいられないからだ。
「はい、終わり」
菊江にそう言われて古民家に着くと、梶谷一人だった。
姑の信夫は何かの用事で出かけており、諏訪子と菊江は昼食用の山菜を取るために山に入っていた。
――とりあえず奥で休むか。
廊下を歩き、黒電話の前を通り過ぎようとした時に、黒電話がけたたましい音で鳴った。
――!
もちろん菊江の言ったことを忘れたわけではなかった。
しかし梶谷は、電話をかけてきた奴が誰なのか、気になってしかたがなかった。
梶谷は迷ったが、結局受話器を取った。
「もしもし」
最初は返事どころか何も聞こえてこなかった。
切らずにそのまま聞いていると、やがて何かが聞こえてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます