第4話

――雨?


それは雨、それも豪雨の音に聞こえた。


そして次に聞こえてきたのは、とてつもない轟音だった。


――なんだあ?


電話はそこで切れた。


梶谷が受話器を置くと、梶谷の全身を何かが叩いた。


雨だ。


普通の雨ではなく、とてつもない豪雨だ。


――えっ?


気がつけば、細い山道にいた。


ついさっきまで諏訪子の実家にいたはずなのに。


道のすぐ先に山があり、そこには小さく古い家屋が寄り添うように建っていた。


家屋の数は十軒ほどだろうか。


――いったい何がどうなっているんだ?


その時、梶谷の耳に地響きのような轟音が届いた。


それは先ほど電話で聞いたものと同じものだった。

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