ロイヤルキャットの逆襲






「魔王様。本当に申し訳ございませんでした」


メルが頭を下げて謝る。いつも和気あいあいとした空気の魔王城が、今日は黒く淀んだ空気になっている。


「それで許されると思っているのか?ワシの妃を連れ回した挙句、危険な目に合わせたのだぞ?それに騎士団長までもが行方知らず。どう責任取るつもりだ?」


いつもは和やかなルドルフも、今回は許せないようだ。怒りで、今にも我を忘れそうな程に震えている。


「いかほどにも…」


「そうか、分かった。ならば…」


「待って!」


耐えきれず、口を出してしまう。元はと言えば僕のせいなのだ。僕が口を出さないわけにはいかない。


「なんだ」


「全部僕のせいなの。僕がわがまま言っちゃったからメルは…」


「関係ないな。そもそもそれを止めるのがメルメムの仕事であろう。それがどうだ。一緒に遊びに出かけるなど笑わせるな」


「僕が無理言ったから。全部僕のせいだから」


「それも分かっている。今回のような事が二度とないようにせねばならんな」


僕にそう言うと、目配せをする。そこには屈強な兵士3人がいた。


「これからはこいつらに綾汰の世話をしてもらう。当分部屋からも出させん。そしてメルも処罰を覚悟しとけ」


「はい…」


「待って!本当にメルは許してあげて!僕はどうなってもいいから!お願い!」


「もう遅い。」


そう言うと、ルドルフは部屋から出ていった。


僕のせいで…僕のせいで、皆を巻き込んでしまった。全部僕のせいなんだ。ルドルフの言っていたことは、何も間違えじゃない。僕の軽率な行動のせいで…

そんな事を考えていると、突如、外からうめき声が聞こえてきた。外にいるのは僕の護衛だけだ。まさか…!?


「お待たせ。悪いけど連れていかせてもらうよ。」


「なんで…何でなんだよ…」


「エルメ…」

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