第3話 ロイヤルキャット

エルメの1日






エルメの朝は早い。朝5時に起床すると、まずはルドルフの部屋へと突撃する。なぜなら子供を作るためだ。


「ルドルフ!子作りにゃー!」


「あー!うるさい!」


大体はその一言で一蹴され失敗に終わる。そうなると、次はランチタイムがアタックタイムだ。


「エルメ様、申し訳ないのですが魔王様を呼んできて頂けますか?」


「任せるのにゃ!」


メルは既に私の手先…などと考えているエルメは、メルに良いように扱われているのは気づいていない。しかし、なぜそのような事を許すのか。そう、子作りのためだ。


「ルドルフー!ご飯の前に子作りするにゃー!」



「にゃ??」


部屋にルドルフの姿はない。後ろを振り向くと、綾汰とルドルフの姿がある。どうやらエルメは出し抜かれていたようだ。


「ふ、ふにゃーーーー!」


こうしてランチタイムのアタックも失敗に終わる。そうなれば、次は就寝時が一番の狙い時だ。今までのは、全てこの為の布石だったと言っても過言ではない。今回は静かに部屋へと侵入する。


「ルドルフ子作りするにゃ…にゃ?」


そこには綾汰とルドルフの姿があった。


「え、エルメちゃん…これはその…」


「ち、違うんだエルメ…これはたまたまだな…」


綾汰がルドルフに押し倒されているのを目にしたエルメは、泣きながら部屋を後にした。


「ルドルフのバカぁぁぁぁぁぁ!」


こうして、エルメの1日は終わるのであった。

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