第8話 暴君ライアナ
「それで勇者様♪どのボスに挑戦しますか?
「ドーピングアイテム無しで雑魚敵を4人で倒せる、かつ物理攻撃に特化したボスだ」
「ならいいボスいますよ、暴君ライアナ、目安レベルは40で普通の物理攻撃か、近接の全体攻撃しかしてきませんが、その攻撃力は半端ないです。でも、守りは高くないので、今のステータスでもダメージを稼げますね」
「なら、ドーピングといこうか。俺はまもりの薬草を60個使う。ゆうじは攻撃の薬草を30個でアリスはまもりの薬草を10個だ」
「あきら、私はドーピングしないの?」
「さやはそのままの姿が一番かわいいよ」
「あきら・・・」
「なんなんでしょう、この二人…」
「さあ…」
ともかくだ、いいからドーピングだ。
「僕、薬草を30個も食べるの初めてですよ…」
ゆうじは嫌々ながらも薬草を食べる。
「我慢しなさいよーでも薬草って慣れると結構うまいわよ」
・・・ヤベェ薬草くそまずい…。勇者ってよくこんなもの食べていられたな。
吐いたらどうなるんだ、吐いた瞬間にステータス下がるのか?それとも吐いたもの食ったら、2倍の効力を得られるのか?どちらにせよ俺は嘔吐物を食べる気にはならない。
薬草を食べ終える。特に体に異常はない。
まもりの薬草は一個で3守りが上がるから、守りが180になったことになる。
これなら全裸で攻撃を受けても傷一つつかないだろう。
「勇者さま!敵からドロップした剣をあげますわ」
「これは?」
「鉄の剣です」
「ありがたくもらうよ」
攻撃+12か…まあ、素手よりマシか…。
「では3人ともボスのダンジョンに向かうので、掴まってください!」
「スペル・ムーブ」
俺たちはムーブでボスの元へとたどり着いた。
「ここには暴君ライアナがいますよ 。雑魚敵に遭遇しないようにしないと」
「アリス、せいすいはあるか?」
「ありますけど…あ、なるほど」
せいすいは魔物から気配を消し、魔物に見つからずに進めるアイテムだ。一応、俺も一つ拾っていたけど、ここはアリスに任せておくか。
ダンジョンを進む。冷たい風がダンジョンに冴え渡る。暗い、ダンジョンには死神やブラックドラゴンがいて、どいつもこいつも火力が高い敵ばかりだ。
ダンジョンの最深部へとたどり着く。
「あれが暴君ライアナです!」
とアリスが言うと、一同はそれを見る。
まだエンカウントのボーダーラインには入っていない。
今回の作戦だ。
ゆうじとさやは敵から距離をとってサポートに徹してくれ。
俺は鉄の剣で攻撃して努力値を稼ぐ。
アリスと俺は敵のダメージ稼ぎ役だ。
だが、一つだけ気をつけなければならないのがクリティカルの存在だ。
通常ダメージはさやのダブルヒールで回復が追いつくだろうが、クリティカルを受けてしまうと、次の一撃が耐えられなくなる。そのためアリスか俺がクリティカルを受けた時はスイッチして入れ替わる必要がある。そう、集中力が試される戦いになるはずだ。
「いくぞみんな!戦闘開始だ」
「「おー!!」」
4人はバトルフィールドに立つ。
エンカウントが発生し戦闘が始まる。
あきらは剣で攻撃し、アリスは魔法でダメージを稼ぐ。さやとゆうじはライアナから距離を取り、ゆうじは弓矢で攻撃し、さやは回復に徹する。
「くっ、、、」
アリスはクリティカルをくらい、HPが赤ゲージになる。
「アリス!?今は下がれ!」
「分かった!」
アリスは後方へと移りヒールでHPを回復する。
交戦は30分に及んだだろうか…。ライアナのHPは赤ゲージとなり、あきらたちは疲れ果てていた。だが後1撃である。
「今だゆうじ!狙い撃ちだ!」
「分かりました!」
「アリスはボルガノンだ!一気に決めろ」
「分かった!」
2人の同時攻撃が炸裂する。
「グオオオーーーー!」
やった、倒したぞ!!よっしゃ!
「よくやったなアリス!」
「勇者様」
俺とアリスはハイタッチをする。
さて、経験値タイムだ。
回復ボーナス
攻撃ボーナス
強敵ボーナス
低レベルボーナス
経験値51050 ゴールド5000
あきらは32レベルになった。ゆうじは33レベルになった。さやは33レベルになった。あきらは覚醒切りを覚えた。ボルトを覚えた。スキル勇者をゲット
ゆうじはRショットを覚えた。スキル流星をゲット。さやはマインド、エルウインドを取得、スキル女神の加護を取得。
「おお、ついに30レベルか〜。そういえば、アリスこの世界ではレベルの上限はいくつなんだ?」
「分からないわ、でも、デルタノアのダンジョンが50レベルが目安だから60くらいじゃない?」
「そっか、もう少しなんだな」
アリスは数歩歩いて、クルンと振り返る。
「さあ、勇者様!私たち上級クラスになれますよ!教会へ急ぎましょう!」
「上級クラス?」
「要するに強いジョブになれるということです!」
「スペル・ムーブ」
あきらたちはガナルガンドに戻る。以前と比べ人口が減った気がする。
街に戻ったあきらたちは教会へと向かう。
ピロりん
メールの着信音だ。立ち止まる。
開けてみるとアップデートのお知らせのようだ。
異世界にまでアップデートなんてあるのか…。どうやらモニター表示でチャット機能がついたことや、マップ機能で何人の人がこの街にいるかをチェックできるようだ。
早速マップ機能で今どれだけの人がいるかを確認してみる。500万人。今起きてる人をカウントせずに今の人数がこれか…。
「あきら、このままだと世界はどうなるのかしら」
不安そうな顔をしてるさやの手を取り軽く握りしめる。
「大丈夫さ、悪の元凶を探してやっつければ、何もかもハッピーエンドさ。異世界でもゲームでもそれはお決まりさ」
「そうね、あきら…キスして」
「……。ゆうじとアリスが見てるんですけど」
「お願い…」
「アリス、ゆうじ!この状況はどうすればいいんだ!?」
「お構いなく〜、勇者様の熱い口づけ、私も興味あります」
「僕も凝視させていただきます」
「お前ら〜」
「キース♪キース♪」
「キース♪キース♪」
アリスとゆうじは手を叩いて、俺たちをキスするよう仕向ける。
「キース♪キース♪」
「キース♪キース♪」
「キース♪キース♪」
関係もない部外者まで来たよ…。なんだよこの状況は!なんだあれか?みんな馬鹿なのか?仕方がない。俺は勇者だ。やるときはやるぞ!」
俺はさやにそっとキスする。
「ヒューヒュー」
「よ、お二人さんお熱いね〜」
「くそー俺も彼女欲しいぜ」
「ウホ、いい男」
ギャラリーがまじでうざい。一般人に殺意を抱いたのは初めてだ…。
☆☆☆
なんだかんだあったが俺たちは教会へとついた。
中に入る。
「ようこそ、生きとき生きるものはみなワシのしもべ、わしに何か用ですかな?」
「なあ、アリス、この爺さん殴ってもいいか?」
「駄目よ、これでも立派な神父様なんだから」
ゴホン。
「あの、上級クラスにクラスアップしたいんですけど」
「そうか、ならそなたのおっぱいを見せなさい」
「私もこの爺さん殴っていいですか?」
「駄目よ!これでも歳なんだから」
「では、誰がクラスアップするか?」
「では僕からでいいですか?」
「よかろう、なら股間を見せなさい」
「分かりました〜」
ゆうじはズボンを脱ぎパンツ姿となり、女子二人は悲鳴をあげる。
「いやー!!なんなのこの神父さんはブザケてるの馬鹿なの!もっとマシな人連れてきなさいよ。こんな人が神父さんなんておかしいわ!」
「あのーパンツ姿でもいいですか?」
「よかろう」
ゆうじの体は白いオーラに覆われる。
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