第4話 ニートは夢幻の如くなり
一晩明けて今日から快適なニート生活が始まろうとしていた。
しかしギルドには魔法書を書くと言った手前やらなければならないがニートとは働かない者である。
じゃあどうするのか?その為に昨日のうちに手は打ってある新しい魔法を作り出しておいたのだ無属性魔法 「自動書記」まぁ読んで字のごとく勝手に文字を書いてくれる便利な魔法だ、とは言っても神様から貰った本の魔法に関する内容をそのまま書き写すだけだが。
さぁ後は自動書記に任せて俺はニート生活を満喫するとしよう。
っとその時部屋をノックする音がした。
「はーい?」
ドアを開けるとそこには兵士が一人立っていた。
俺はそっとドアを閉じ直した……
いやいや、なんで兵士が俺の部屋の部屋の前に居るんだよ、俺なにかやらかしたのか?
そんな事を考えていると再び部屋のドアをノックする音が聞こえた。
意を決してドアを開けるとやはり兵士が立っていた。
そして俺が
「なにか御用でしょうか?」
と尋ねると兵士が
「こちらヤマモトタケル殿の部屋で間違いないですか?」
その問いに
「はい、俺がヤマモトタケルですが。」
と答えると
「国王様の命によりタケル殿を王宮にお連れするように言われて参りました準備が出来ましたらお声をおかけ下さい」
そう言われてもう一度ドアを閉めた
えー?王様から呼び出されるって何?俺そんなヤバい事でもしたのか?
「何はともあれ行ってみないと何もわからないか」
覚悟を決め部屋の前で待っている兵士に声をかけると宿屋の前に止まっていた馬車に案内された。
向かいに座った兵士に念の為質問してみた
「えーと、俺はなんで王様に呼ばれたんですかね?」
すると兵士は
「申し訳ございませんが我々はタケル殿をお連れするようにとしか言われておりませんので詳しい事はわかりません」
「そうですか、なんかすいません」
しばらく馬車で沈黙が続いた後馬車が止まった。
「タケル殿王宮に到着致しました、ここから先は別の者が案内致します」
そう言われて馬車を降りるとそこにはいかにもな姿の老紳士が立っていた。
「タケル様ですね?私王宮に仕えております執事のジールと申しますここからは私がご案内させて致しますのでよろしくお願い致します」
丁寧な挨拶をした後ジールさんは深々と頭を下げた。
「あっはい、よろしくお願い致します」
つられて俺も深々と頭を下げる
「それではタケル様、私に着いてきて下さい」
そう言うとジールさんと俺は王宮へと向かって歩き始めた、しばらくするとジールさんが話しかけてきた
「タケル様は冒険者でいらっしゃるとか、失礼ですが星はおいくつなのですか?」
「あっ星は10です」
「なんと、その若さで星10なのですか?」
「あっはい、高難易度のクエストばかりやってて気がつけば星10になってました」
「なるほど、姫様が気にかけるだけの事はありますな」
「ん?姫様って何の事ですか?」
「あっいや何でもございません」
「あぁ着きました、こちらの先のお部屋で王様がお待ちになられております、それでは私は失礼致します」
そう言うとジールさんはそそくさと帰って行ってしまった
しかしこの先で王様が待っているのはいいが何で俺が呼ばれたんだ?
よりによってニート生活を始めた初日に王様に呼び出されるとは俺のニート生活は初日にして儚く散ってしまった。
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