声
通知画面はあなただった。
「返事かえって来た…」
「なんてきたの?」
‐起きてます?‐
‐起きてるよー ちょうど本読んでた‐
「本読んでるんだって」
ピロンッ
‐こんな時間に連絡してくるなんて珍しいね なんかあったの?‐
「なんて返せばいいんだよー…」
「そのまま伝えちゃえばいいじゃん。好きですって。」
「…ヘタレ野郎にはハードル高すぎる。」
色々文章を考えながら
‐今呑みに出てて、なんとなく、何してるのかなって思って。邪魔しちゃってたらすみません‐
あなたの邪魔をしてはいけないと思い、早々に会話を切り上げようとした。
すると、
ピロンッ
‐ねぇ雪。今ちょっと大丈夫?‐
「どうしたんだろ」
「電話でもかけてくるんじゃないの?」
彼女は欠伸をしながら自分の携帯を弄って今にも寝落ちしそうな様子だった。
「さすがにそれはないでしょ」
‐大丈夫ですよー‐
返事をし、何かあったのかなと思いながら横で眠そうにしている彼女を見てマスターにチェックをしてもらった。
「そろそろいい時間だし帰るね。明日も仕事あるし、眠いでしょ?」
「うーん…。今日はありがとね。」
「こっちこそ話聞いてくれてありがとう。」
じゃあね。と挨拶をして私は自宅へ歩き出した。
帰り道
あなたからの返事を待っていると、
ピロンッ
‐今ちょっと電話出来る?‐
ドクンと心臓が高鳴った気がした。
「…」
‐酔っ払い相手でいいならできますよー‐
そう送った瞬間
♪~
着信音が鳴った
「…もしもし」
「あ、雪。ごめんねいきなり」
電話越しに聞こえるあなたの声
とても落ち着く声を聴いていると少し酔いが醒めた様だった
「どうしたんですか?電話なんて初めてじゃないですか」
「…あのさ。雪ってさ…」
口ごもる様子に少し嫌な予感がした
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