楠さんの桜月夜シリーズの4作目です。今回の主人公は咲ちゃんの親友・琴音ちゃん。
シリーズ3作目の主人公である要は、3作目のラストで「さて、男嫌いの彼女(琴音)をどうやって落とそうか」などとモノローグで呟いていたわけですが……。
今回は、琴音ちゃんがイケメン策士の要に「大嫌いは恋の始まり戦法」で落とされていく過程が描かれています。要をだんだん意識していく琴音ちゃんはとても可愛いです。ただ、要の琴音ちゃんを落とす作戦というのが、
咲ちゃんのキスシーンを盗撮からのネット拡散!!(いちおう本人の許可は取っている)
という相手によってはブチ切れるであろう危険な作戦でした(笑)
琴音ちゃんも実際激怒するわけですが、それはイケメン策士の要の計画通り。まんまと術策にはまって「意識」させられていく琴音ちゃん……。
諸葛孔明かよ、お前!!! ていうか、イケメンじゃなかったら絶対に許されてないからなぁ~!?(#^ω^)(←非イケメンのひがみ)
ただ、「好きな子の親友を盗撮してネット拡散する」という行為は下手をしたら好きな子を強く傷つけてしまう可能性もあったと思うので、もうちょっとソフトな作戦だったほうが良かったのではと個人的には思ってしまったり……(汗)
そういう点から考えると、要もイケメン策士に見せかけて不器用なところがある青年なのかも知れません(あくまで個人的な見解ですが)
何はともあれ、要! 琴音ちゃんのことをちゃんと大事にしてあげてね!? 男嫌いな女の子なんだから、あまり策を弄さずに誠実に優しくしてあげてくださいよ?
胸きゅんの連作短編『桜月夜』シリーズの琴音ちゃん編です。
容姿端麗なのに男性が苦手、親友の咲ちゃんだけに心を開いている琴音ちゃん。
ある時、同じサークルの要先輩が大切な親友の咲を傷つけるような暴挙に出て、琴音は憤ります。
結局要先輩にまるめこまれ、釈然としない琴音だけれど、穏やかな笑顔の裏で彼が何を考えているのか、琴音はだんだん気になりだして……。
「嫌いは好きの反対じゃない」とは言いますが、意識し始めた時点できっと彼女は要先輩の策にはまっていたはず。
この物語だけでも短編として楽しめると思いますが、策士の要先輩の心の内がわかる『桜月夜に魅せられて』を読むとより楽しめると思います♡