第2話白咲檬架と羽澄嘉
※アテンション!※
下ネタがぬるいけどあります
檬架←嘉です
大丈夫な方はどうぞ↓
学園の食堂とテラスは設備が行き届いていて、弁当を持ってくる生徒もそこで食べたりするので、こうしてわざわざ立ち入り禁止の屋上へ続く階段でお昼を食べる生徒はなかなかいない。
「嘉ってさ、檬架とシたことある?」
だからと言って下ネタが階段に響くと流石に動揺してしまう。
「…なにを」
「いや、お前ら付き合い長いしさーちんこ触り合ったりとかしねーのかなーって、純粋な疑問?」
芽夢はたまにこうして下ネタ爆弾を予告なく落とすから困る。どうか近くで女子が聞いてませんようにと祈るしかない。
「ないよ。そういう話をしたこともないし」
今更ながら動揺を悟られないように努めて冷静に応える。目を合わせなくていいように、食後のあんパンを食べ始める。
「ふーん、そんなもんか。やっぱ男子校くらいなんかねー」
あむあむと激辛カレーパンをハムスターのごとく口に詰め込む芽夢はそれで納得したのか、またすぐに話題を変え、しばらくして昼休みが終わった。
俺は幼馴染の檬架に好意を寄せている。単なる友情としての好意ではなく、性的な意味で。この想いは誰にも言ってないし、これからも言うつもりはない。静かに静かに、小さく無くなるのを待つだけだ。
だから、まあ…今日の昼休みの会話が気にならないわけじゃなかった。
芽夢は男子校が特別みたいな言い方をしていたけど、『普通の』男子高校生でも、友達同士で触り合ったりするんだろうか。
例えば…例えば、俺が檬架にそういうことを提案したとして、奴はノってくるんだろうか。
もしくはもう、八千男あたりとはやってたり…するのかな。性にオープンすぎる人は初めて関わるからその辺分からないんだよな。
ベットに横たわり白い天井を見つめながら、ふと考えてしまう。今まで何度も考えて自己嫌悪に襲われた俺の醜い妄想。
俺は女で、檬架に抱かれてて。
俺は女だから檬架に触れられるし、触れてもらえて、キスをしたいと思ったら好きなときに好きなだけキスが出来て。
愛してると囁いてもらえて……。
なんて都合の良い幸せな夢。だけどそれは俺が女だったらの話だ。
どんなに好きで、近くに居ても、俺が男であるかぎりその妄想が現実になることはない。
そんなことを、凝りもせず考えてしまう。
馬鹿みたいだ。
惨めで、哀しくて、その夜も俺は少しだけ泣いた。
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