緩やかな薬 8

 パーティーが終わって、短い休みが明けると、ついに学校が始まった。アースやフォーラも往診へと出かけていったし、相変わらず天使と悪魔が一緒にお茶をしている姿が見られた。空地への、屋敷の建造工事も始まり、いつもの日常が始まろうとしていた。

 輝と町子、そして友子と朝美は、芳江やマルコたちが用意してくれた朝食を美味しくいただくと、学校に持っていくものの確認をした。そして、学校に行くために外に出ようとすると、大きな声で輝を呼ぶ声がした。

「輝! さあ、学校へ行くぞ!」

 メルヴィンだった。なんだか晴ればれとした表情をしている。隣にはメリッサがいて、ニコニコ微笑んでいた。

 学校へ行く途中、メルヴィンは輝とともに真っ先を歩いていた。輝は戸惑いがちについていったが、メルヴィンはそれに全く気が付いていない。町子や朝美たちがあっけにとられていると、メリッサが小声で、女子だけを呼んであることを教えてくれた。

 町子たちはそれに納得すると、輝やメルヴィンの後ろを軽快な足取りでついていった。

 ことのほか、今回の件に関しては、うまく収まってくれてよかった。

 町子は、そう思いながらまだ寒さが残る冬の空を見た。

 空は晴れ渡り、きれいな青空が見えていた。

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