青い薔薇 3
『親愛なる 町子
私は今、君の友人を試すため、フランス語で手紙を書いている。もし、この手紙をその友人が読めるのならば、確かにその人間は『戻すもの』なのだろう。
そこで、君に頼み事と提案がある。
まず、提案だが、『戻すもの』本人とその家族に対して、私から資金援助をしたいと思う。これから彼らには世界中を回ってやらなければならない役割がある。そのために、学校の学費や生活費、渡航費やその国での滞在費などの援助を我々はしなければならない。彼らから時間と生活環境を奪ってしまうのだから、それは当然のことだろう。もしかしたら、学校にいる時間が極端に減ってしまうかもしれない。その場合に高等教育をする機会を我々は提供しなければない。町子、君とそのご友人どちらに関してもだ。
そして、そのためにも一度私の国である英国に、そのご友人を連れてきてほしい。私から話すことがたくさんあるからだ。
次に、頼み事だが、これは英国に君が来た時に話そうと思う。これは、君たちの最初の仕事になるであろうから。
それでは、今回はここまでにしておくよ、愛しい町子。
祖父 ガルセスより』
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