三郎というその名前。


「ねぇねぇ、何でチュンちゃんの名前は

『チュン三郎』っていうの…?」


ある日、突然むむ母にそう尋ねられたむむ。


…何でって…


…まぁ『ただ語呂が良かった』っていうだけなんですが、何か?


そう思ったむむが、むむ母の質問を無視して黙り込んでいると、指でチュン三郎をあやしながらむむ母は言いました。


「何かさ~…


『三郎』っていらなくない?」



…と。



「いやいるでしょ!『三郎』なかったら、オスかメスか分からないじゃん!」


そう言って反論しまくるむむの横で、『チュンちゃん、チュンちゃ~ん』と呑気に自分の名前を嬉しそうに連呼しているチュン三郎。


そんなチュン三郎に向かって、


「…おい、『三郎』を忘れとるゾ。自分の名前くらい正式名称で言わんかい!」


…って言ったら、

むむ母にしこたま怒られました。


そんなある日、

またもやむむ母からメールが…。


開ける前から分かります。

…絶対に大した事のない内容です。



…どうせまたチュン三郎のネタでしょ~…


そんな事を思いながら開いてみると、

亀の小次郎ちゃんの写真が添付されていました。


小次郎ちゃんの周囲には沢山の白い塊が写っています。


…あぁ、また小次郎ちゃん

卵産んだんだ。

好きだね~…


そう思いながら、

むむ母のメールを読んでみると

本文にはこんな事が記されていました。



『オハヨー!

カメサブローが卵を産みました!

今日もがんばろー!』



…って、いやいやその子の名前

『カメサブロー』じゃないからっ!!


なんで15年も一緒に暮らして、

いきなり改名しちゃうんだよ!?


何にでも『三郎』をつけはじめた

オカンの事がちょっぴり怖くなった

むむ山むむ三郎でありましたとさ。

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