ハムスターのお母さん
ある日飼っていたハムスターのトマトが赤ちゃんを産みました。
その数なんと7匹!!
なかなかの子だくさんです。
むむはハムスターの赤ちゃんなんて見た事がなかったので、それはもう嬉しくて嬉しくて。
トマトのケージの中を覗いてみると、ケージの中に設置してある小さな家の形をした小屋の中に、ピンク色をした小さな生き物がチラリチラリと見えてきました。
…もっと赤ちゃんをじっくり見たい…!
そう思ったむむは、赤ちゃん見たさにトマトの事を呼んでみましたが、もともと名前を呼んでも来る習慣がないトマトは顔すらも見せません。
仕方がなくむむはトマトの好きなオヤツを片手にトマトの事を呼びました。
「トマト~!赤ちゃん見せて!」
するとオヤツにつられたトマトは小屋からひょっこりと顔を出すと、むむの手からオヤツを受け取ってその場ですぐに食べ終えました。
むむはもう一度トマトに言いました。
「トマト!赤ちゃん見せて!」
するとトマトはむむのその言葉に反応するかのように小屋の中に入って、ごそごそと何かを探しはじめました。
…もしかして、赤ちゃんを連れて見せに来てくれるのかな!?
そう思ったむむが、ワクワクしながら小屋の中を覗き込むと、トマトが再びひょっこりと顔を出してきました。
顔を出したトマトは、赤ちゃんを見せるどころか、むむに向かって何かを飛ばして来ました。
ピッ!
…ポトン。
見るとむむの手の甲には、トマトの小さなフンが乗っかっています。
…え?
何故にフンを飛ばす??
思わずキョトンとした顔で固まってしまいました。
そうです。
あろうことかトマトは、自分の赤ちゃんをむむに見せる為にごそごそとしていたのではなく、小屋の中に落ちていたフンをわざわざ口に含んで、むむに向かって投げつけてきたのです。
…ま…まぁトマトもお母さんになった事だし、小屋の中の掃除とかもこまめにするようになったのかな?
そう考えたむむは、トマトを信じてもう一度彼女に声をかけてみる事にしました。
「トマト~!赤ちゃん見せて!」
するとまるでむむの声に反応するかのように、またまた小屋の中を一通りごそごそとした後にひょいっと顔を出すトマト。
そしてそのまま…
ピュッ!
…ポトン。
再び見事にむむの手の甲に着地するトマトのフン。
ぎゃぁあぁぁあ~!!
コイツ、絶対わざとやってるだろ!?
毎日数時間も室内を散歩させてあげるくらい溺愛していたというのに、実はトマトが全然むむには懐いてなかったという事を知った時のこの哀しみたるや…。
…ちなみにハムスターは、退屈になってもフンを飛ばしたりもするそうです。
…全く、とんだタネマシンガンだぜ!
こうしてしばらくは、赤ちゃんどころか何故かやたらとトマトのフンばかりを見せつけられてしまった、むむ山むむすけでありましたとさ。
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