夜の運転中…。


その日は残業で遅くなりましてな。


気がついた頃にはもう

辺りは真っ暗で。


暗い夜道の中、車を運転していると、

道路の上に落ちていた

小さな茶色い物体をあやまって

車で轢いてしまいました。


「ヤバい…!

ブレーキが間に合わなかった!」


「よく見えなかったケド、

なんか茶色い毛のようなモノで

覆われていたような…」


「…あぁ!…子猫とかだったら

どうしよう…!!」


そんな風に考えながら不安に思ったむむは

すぐさま車の方向転換をして

その茶色の物体が落ちていた場所まで

戻ってみることにしました。


暗い夜道の中、

車を走らせて行くと

対抗車線に例の茶色の物体が

落ちているのが見えてきました。


車が近づいて行くに連れて、

その茶色い物体の全貌が

明らかになっていきます。


細長く、

そして力なく道路の上に

横たわっていた茶色のソレは――――…



なんとただの

ヤシの木の皮でした。



…ヤシの木の…


皮…。


そう言えばヤシの木の皮って

植物のクセに何故か細い毛みたいなので覆われてて、やけに毛羽立ってるんだよね~…


動物とかじゃなくて本当に良かった。


そう安堵で胸を撫で下ろしながら

再び方向転換をしたむむは、


とりあえずもう一回

そのヤシの木の皮を

車で轢いておきましたとさ。


皆様も夜の運転には十分に

お気をつけあれ。


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