恐怖の遊園地。
残念ながら今はもう
なくなってしまったのだが、
ある県にはとても古い遊園地が
ありましてな。
その遊園地にも
バイキングという船の形をした
お決まりのアトラクションが
あったのですが、
そのバイキングは何故か
船が一番高く上がった位置から
激しく低い場所まで落ちる瞬間に
頼みの綱であるはずの
『安全バー兼手すり』が
わずかにクイッと上にあがるという…
明らかにそのアトラクション本来の力以上に
ヒヤっとさせられる効果が上乗せされた
摩訶不思議アドベンチャーな乗り物へと
変貌していたのでした。
…が。
世の中にはまだ
それ以上に恐ろしい乗り物が
存在していたのです。
(※当初比。)
数年前に
別の県にある遊園地に遊びに行った時の事。
遊園地をブラブラしていたむむ達は
『逆バンジー』という珍しい代物に
遭遇しました。
それは二人一組で横並びの座席に座り、
通常のバンジーとは逆に上に向かって
勢いよく噴出されるというモノ。
当時、絶叫系アトラクションが大好きだった
むむ達はソッコーで挑戦してみる事に。
まずは体にヘルメットなどの
プロテクターを付けまくり、
『万が一事故が起きても自分の責任です。』
みたいな軽く怖い遺書的な悪魔の契約書に
署名をさせられ、
いざ逆バンジーに挑もうとしたその時…
「あ。そうそう忘れてた。」
とむむ達を呼び止めてくる
係員のおっちゃん。
係員のおっちゃんは笑顔で
むむ達にこう言いました。
「逆バンジーをする前に
そこで体重測ってね。」
…………と。
………なんですと…?
……今、体重を測れ…
…とおっしゃいました……?
その場にしばし流れる沈黙。
「いやだ~!!
みんなに体重知られるじゃん!!」
「二人で130㎏以下の体重じゃないと
これには乗られないんだからね!」
「女二人で乗るのに、
そんなに体重あるわけね~だろ!!」
「だったらなおさら、
体重計に乗ればいい!
二人一緒に体重計に乗るんだから
体重なんて分かりゃあせんじゃろ!」
「自分の体重引いたらおのずと
相手の体重が分かるでしょ~がぁ!!」
一歩も引かないむむ達と
これまた一歩も引かない係員のおっちゃん。
いやはや、
逆バンジーの前のまさかの体重測定が
この世で一番怖い乗り物となろうとは…
さすがに思いもよらなかった
むむ山むむすけでありましたとさ。
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