飲みの席にて。


大昔につるんでいた

今はもう連絡すらとっていない

男友達から聞いた話。


むむの男友達に

記憶がなくなるくらいに

飲んでしまうという子がおりましてな。


ある日男友達みんなで

飲みに行った帰りの事。


運転手ハンドルキーパー以外、

みんなでお酒をしこたま飲んだ後

少し夜風に当たろうかと

夜の海まで移動をしてみんなでまったりと

和んでいると…


何故かその場でおもむろに

服を脱ぎはじめる男友達。



…おい…

何故にアイツは服を脱いでいるんだ…?


…ってゆ~かこんな所で脱がれたら

本当にヤバいんじゃないか…?



そう思った他のメンバーは

一斉に皆でその男友達を押さえつけ、

必死に服を着せようとしました。


…が。

ここでまさかの大抵抗。


理性を失った酔っぱらいの力は

結構なモノのようで、

着せども着せども

すぐに自分で脱いでしまいます。


おまけに途中からはみんなを振り切って

海岸を走り回りながら逃げ出す始末。


やっとこさみんなで

必死に取り押さえて服を着せ、

無理矢理車に乗せて帰ったそうですが

その帰りの道中でもずっと


『…意味分からん…

…ほんっまに意味分からん…』


と服を着せられた事に対して

ずっと焦点の合わない目でブツブツと

文句を言っていたそうです。


車内のみんなこそ

きっとこう思っていたはずです。


『いやいや、

お前のその行動の方が

よっぽど意味分からんし。』


…と。


ちなみに自分がそんな事を

しでかしていたとは露知らず、

翌日には綺麗さっぱりとその事を忘れていた

男友達。


後日ジムに行くとみんなから


「お前昨日ヤバかったゾ~」

「裸で海岸、走り回ってたもんな。」


と口々に言われたそうで。


「はぁ?

俺がそんな事するわけないやろ。」


全く記憶のないその子が

そう言った瞬間、

皆が一斉にその男友達に向かって

携帯を差し出してきたそうです。



「………………?」


不思議に思ったその子が

みんなの携帯を覗いてみると、

そこに映っていたのはなんと…


パンツ1丁で

海岸を楽しそうに

走り回っている自分の姿が。


「おい!思いっきり脱いどるやんけッッ!!」


即座に自分で自分につっこんでしまった

男友達でしたとさ。


とりあえず、

皆さんもお酒はほどほどにね。



『飲んだら脱ぐな、


脱ぐなら飲むな。』


これ鉄則らしいです。

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